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入力依存的な中枢聴覚可塑性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K15894
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
研究機関獨協医科大学

研究代表者

穐吉 亮平  獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80572859)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード中枢聴覚 / 内因性シグナル / 聴性脳幹反応 / 大脳皮質聴覚野 / 内側膝状体 / 聴覚伝導路 / 恒常的可塑性
研究開始時の研究の概要

末梢からの入力が増強あるいは減弱するなどの外部からの感覚入力の変化を伴った際に、その入力先である中枢においては神経細胞のシナプスの強弱を調整する可塑性が存在する。この仕組みを恒常的可塑性と呼び、脳幹から大脳においてこのような生体の恒常性を維持する機構が存在することが知られており大脳皮質聴覚野において観察される。本研究においては、大脳皮質聴覚野が外界からの入力が障害された際の可塑的な変化を引き起こす機序はいったい何なのか、それはどのように起こるのか、さらに、聴覚野への入力を回復させることで聴覚認知の改善あるいは予防の可能性はあるのかについて解明する。

研究実績の概要

マウス中枢聴覚において、生体下におけるイメージングを行うために大脳皮質聴覚野を露出させ麻酔下で内因性シグナルの観察を行った。聴覚刺激はTDT社の刺激装置を用い、各周波数はそれぞれ30回刺激した後に加算平均を行い大脳皮質聴覚野の反応を解析した。大脳皮質聴覚野が分布する側頭表面にtonotopy mapが観察された。また、その後聴力が正常であることを確認するために聴性脳幹反応および歪音耳音響放射をそれぞれ測定した。また、成体マウスにおいて中枢聴覚の可塑性の有無を調べるために8-12週齢マウスと48週齢以降のマウスの聴力および内因性シグナルの観察を行った。なお、音刺激時には両側の大脳皮質聴覚野を観察し誘発されたシグナル強度(振幅)の左右差を比較した。
マウスの下丘はヒトのそれに比べ頭蓋背側表面に位置していることからイメージングが可能な部位であることが知られている。そこで、マクロレンズを適応し聴覚野と下丘の同時観察を行い音刺激時の反応と潜時を測定した。
空間分解能は保持したまま、より時間分解能を向上させるためマウス大脳皮質聴覚野および下丘にアデノ随伴ウイルスを用いてカルシウム感受性緑色タンパク質を発現させることに成功した。より速い時間分解で領域イメージングを行うことが可能になり、聴覚刺激誘発時の活動頻度および自発発火活動の解析が行えるようになった。今後は単一細胞レベルで活動を観察することで、細胞集団としての時間的に異なる応答が空間的にどのように分布しているのかを観察する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウスの中枢聴覚の中でも大脳皮質聴覚野および下丘に注目し聴覚刺激時の応答を安定して観察することに成功している。また、上記を用いて大脳皮質聴覚野のtonotopy mapを確認できた。さらに、観察可能であったマウスの末梢の聴力を測定しコントロール群となるべきマウスの実験を安定して行うことに成功した。

今後の研究の推進方策

ベースとなる成体期のマウスの末梢聴覚の評価および中枢聴覚の評価を行い、聴覚関連領域であることを確認した上でよりミクロな単一細胞レベルでの解析を行う予定である。興奮性神経細胞の活動様式を把握することで、末梢入力および加齢時の活動変化を細胞集団として空間的に観察する系を構築する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] バンドルファイバを用いた脳深部神経細胞の生体下観察のこころみ2023

    • 著者名/発表者名
      穐吉亮平,田中康広
    • 学会等名
      第33回日本耳科学会総会・学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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