研究課題/領域番号 |
23K15903
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉原 正仁 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (70807065)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | プロテオーム / 増殖性硝子体網膜症 / バイオマーカー / 機械学習 / 硝子体蛋白 |
研究開始時の研究の概要 |
増殖性硝子体網膜症 (Proliferative vitreoretinopathy; PVR)は、網膜剥離の術後や眼外傷により眼内に増殖膜が形成され、牽引性網膜剥離を来たす非常に難治な疾患である。現時点での唯一の治療法は手術であるが、その視力予後は不良である。 本研究では、重症度の異なるPVR患者から硝子体液を採取し、プロテオーム解析により硝子体蛋白の網羅的プロファイリングを行い、PVRの発症・進展に関与する蛋白を同定することを目的とする。これらの蛋白は治療標的の候補となりうるため、新規薬物治療開発に繋がり、将来、多くのPVR患者の予後改善に貢献することが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、重症度の異なる増殖性硝子体網膜症 (Proliferative vitreoretinopathy; PVR)患者から硝子体液を採取し、高深度プロテオーム解析によってPVRの発症・進展に関与する蛋白を同定することで、PVRの病態の解明および治療標的の探索を目的とする。
初年度となる当該年度は、千葉大学大学院医学研究院 眼科学教室の協力のもと、網膜硝子体手術に際し、硝子体液の採取を行った。正常コントロールとして、眼内レンズ偏位症例を使用した。当初予定していた、軽度・重度PVR症例を含む合計約40症例の検体を回収を完了した。
さらに、予備検討として、ヘルシンキ大学(フィンランド)のVarjosaloグループから、 既報の網膜剥離のプロテオーム解析の非公開生データ (Ohman et al., Sci Rep. 2021)を入手し、PVR症例で特異的に高発現する蛋白を同定した。ヒト網膜組織のシングルセルRNA-seqデータ (Liang et al., Nat Commun. 2019)の再解析により、細胞種特異的遺伝子を同定し、このデータを用いて、PVRで高発現する蛋白が網膜内のどの細胞種由来であるか、検討を行った。既報では検出された蛋白数が少なかったため、有意な結果は得られなかったが、本研究では高深度プロテオーム解析を用いることで、より多くの蛋白が検出されることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始時には、2023年度内にプロテオーム定量を開始する予定であったが、正常コントロール検体の回収に時間を要したため、次年度にプロテオーム定量を行うこととなった。2023年度末に、既に予定していた検体数の回収を完了しており、近日中にプロテオーム定量を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
プロテオーム定量の結果が得られ次第、解析を開始する。臨床情報との統合解析により、PVRの発症・進展に関与する蛋白を同定し、さらには予後予測マーカーの同定や実験的検証、治療薬候補の探索を予定している。
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