研究課題/領域番号 |
23K15934
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
石戸 みづほ 横浜市立大学, 医学研究科, 特別研究員 (30897096)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | サルコイドーシス / 疾患感受性遺伝子 / CCL24 / 遺伝子多型 / 遺伝子変異 |
研究開始時の研究の概要 |
サルコイドーシス(サ症)は、全身の諸臓器・組織に、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が形成され、様々な臓器傷害を呈する疾患である。近年のゲノム解析において、サ症の新たな疾患感受性遺伝子としてCCL24遺伝子が同定されている。本研究では、CCL24遺伝子を対象に詳細な遺伝子解析を行い、サ症の発症に関わる責任遺伝子変異・多型を同定するとともに、同定した遺伝情報をもとにCCL24遺伝子の介するサ症の発症機序を明確にする。さらに本研究では、CCL24遺伝子を標的としたサ症の新規医薬分子の網羅的なスクリーニングを行う。
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研究実績の概要 |
サルコイドーシスは全身の諸臓器に炎症を繰り返す原因不明の難治性炎症性疾患であり、長期間にわたり再発と寛解を繰り返すため、サルコイドーシスにより重度な視力障害を来す患者は多く、最悪の場合、失明に至ることもある難病である。また、欧米と比較して心臓病変の頻度は高値を示し、心臓病変を主因とする死亡の割合が高い。このような疾患の予防、治療に当たっては、疾患の早期発見が極めて重要であり、疾患の予防および治療に先立った疾患の発症要因の十分な解明が必要とされる。しかしながら、多因子疾患であると考えられるサルコイドーシスの発症を左右する遺伝因子(疾患感受性遺伝子)は未だ明確に決定されていない。したがって、サルコイドーシスの疾患感受性遺伝子を同定し、サルコイドーシスの発症要因を解明することは大変意義のあることである。 私たちは、サルコイドーシスを対象としたゲノム全域にわたる遺伝子解析(genome-wide association study:GWAS)を実行し、サルコイドーシスの新たな疾患感受性遺伝子としてCCL24(C-C motif chemokine ligand 24)遺伝子を同定している。本研究では、CCL24遺伝子を対象に詳細な遺伝子解析を進め、サルコイドーシスとCCL24遺伝子の相関性を明確にするとともに、サルコイドーシスの発症や病態に対するCCL24遺伝子の作用機序の検討を行う。さらに本研究では、CCL24遺伝子および関連分子を標的としたサルコイドーシスの新規医薬分子の網羅的なスクリーニングを実行する。 2023年度は、日本人集団とチェコ人集団を対象に、CCL24遺伝子領域の詳細なSNP解析およびエクソンシーケンシング解析を実行し、サルコイドーシスの発症に最も顕著に相関する責任遺伝子変異・多型の同定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、①日本人集団とチェコ人集団を対象に、CCL24遺伝子領域の詳細なSNP解析およびエクソンシーケンシング解析を実行し、サルコイドーシスの発症に最も顕著に相関する責任遺伝子変異・多型を同定する。さらに、②同定した遺伝情報をもとに、サルコイドーシスの発症や病態に対するCCL24遺伝子の作用機序を検討する。その後、③CCL24遺伝子および関連分子を標的とした医薬分子のスクリーニングを行い、サルコイドーシス新規治療薬の開発の可能性を探る。 現在までに、日本人とチェコ人集団を対象としたCCL24遺伝子領域のSNP解析およびエクソンシーケンシングを実行し、サルコイドーシスの発症に最も顕著に相関する遺伝子多型を同定している。 以上より、本研究は当初の研究計画のとおり、「おおむね順調に進展している。」といえる。今後引き続き研究を進めることで、当初の目標を達成できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、同定した疾患感受性遺伝子多型を対象とした機能解析(遺伝子発現量解析、立体構造解析)を実行し、同定した遺伝子多型が関与するサルコイドーシスの発症機序を見出す。さらに、同定した遺伝情報をもとに、CCL24遺伝子および関連分子を標的とした医薬分子のスクリーニングを行い、サルコイドーシスの新規治療薬の開発の可能性を探る。
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