研究課題/領域番号 |
23K15939
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
堅田 侑作 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (40645834)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 視覚再生 / 網膜色素変性 / 進行抑制 / AAV / 遺伝子治療 |
研究開始時の研究の概要 |
指定難病でもある網膜色素変性症はわが国の大きな失明原因の一つであり、早急な治療法の開発が望まれる。近年、遺伝子治療技術の革新に伴って、本疾患に対しても、光駆動タンパク質であるロドプシンタンパク質類の遺伝子導入によって視覚再生が可能であることが報告されているが、臨床応用への課題は多い。申請者はこれまでに独自のキメラロドプシンを用いて、従来以上に高感度な視覚再生や予防効果を見出した。本研究ではより高度な遺伝子治療を実現すべく、動力学にフォーカスしたシーズの探索を行う。
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研究実績の概要 |
本研究ではオプトジェネティクスセラピーによる視覚再生手法におけるツールの動力学が時間分解能の関係について明らかにする。 ・測定系のバリデーションと現在の視覚再生モデルマウスの解析:まず、これまで研究で作成したキメラロドプシン搭載AAVベクターを用いた視覚再生モデルマウスを用いて、その時間分解能の解析を行う。チャネルロドプシンのようなイオンチャネル型のツールはin vitroでの解析が可能だが、キメラロドプシンなどのGタンパク質刺激機能をもつ酵素型のツールは in vivoでの評価が中心となる。本年度は以下の検討を実施した。 ・多電極アレー記録:ex vivoで網膜神経節細胞の細胞外電位を得る手法で、点滅する刺激(フリッカー刺激)を行うことで神経節細胞レベルでの時間分解能を測定する。測定解析の結果、キメラロドプシンはCone opsinに類似した時間分解能を持つことを確認。また光刺激の強度によっても変調する可能性を認め、今後検討を進める。 ・視運動性眼反射測定:In vivoで縞刺激に対する応答性を測定する手法で、時間分解能・空間分解能の解析を行う。視運動性眼反射測定系を立ち上げ、フィージビリティスタディを実施。その結果視覚再生効果を確認できた。今後、詳細な特性解析を実施していく。 ・その他 モデルマウスを用いて試験系のバリデーションが取れたので、時間分解能の由来について解析するため、組織特異的プロモーターを用いたAAVベクターの製造も開始し、次の実験計画への準備も進めている。その他、計画していた画像・映像刺激の実験系も立ち上げを開始しており、今後フィージビリティスタディを実施する計画となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通り進捗しているため。
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今後の研究の推進方策 |
モデルマウスを用いて試験系のバリデーションが取れたので、時間分解能の由来について解析するため、組織特異的プロモーターを用いたAAVベクターの製造も開始し、より具体的な視覚再生効果や回路の解析を実施していく。 また昨年度実施できなかった画像・映像刺激の実験系も実施予定である。
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