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β-TCP含有Mg合金による骨固定材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K15948
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56070:形成外科学関連
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 顕光  東北大学, 大学病院, 助教 (90623603)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワードマグネシウム / 不溶性塩 / 出血環境 / 生体吸収性骨接合材 / Mg合金 / β-TCP
研究開始時の研究の概要

近年、生体吸収性骨接合材の新素材としてマグネシウム合金が注目され、国内外で研究が進められている。Mg合金は骨接合に十分な高強度を有し、かつ生体吸収性素材であることから、従来の骨接合素材であるチタン性素材と吸収性高分子材料の優れた特徴を兼ね備えた、生体吸収性素材となり得る。さらに、現在骨欠損部の補填材として用いられているβ-リン酸三カルシウムにも骨形成能があることが知られており、渡辺らはβ-TCPを含有した新しいMg合金の開発に成功した。本研究では従来のMg合金の特徴の改良を目指し、この新素材の機械的性質、分解挙動、骨形成への影響を解析し、将来の臨床応用を念頭に置いたものである。

研究実績の概要

β-TCP含有マグネシウム合金の腐食挙動のメカニズムを解明するに先立ち、マグネシウムの分解挙動を把握する必要性が生じたため、予備的に腐食挙動の試験を開始した。これまで腐食のメカニズムはin vitroとin vivoではデータに解離があることが多かったが、臨床応用をする際に影響が避けられない出血による影響が十分に検討されていなかったため、出血の影響を確認した。ラットの大腿骨で出血モデルを作成し、マグネシウム試料を埋植し解明を行った。
出血はマグネシウムの腐食を促進すること分かった。また、腐食による不溶性塩がマグネシウム試料の表面を覆うにつれて、経時的に腐食は抑制されたが、出血がない環境と比べて腐食速度が速いことが確認できた。さらに、SEM-EDX、ICP-MS、ラマン分析により出血環境下では埋植初期に生じる不溶性塩の組成や構造が異なることが確認され、腐食速度にも影響を与えていることが確認できた。出血環境下でのpHの変化やイオン拡散速度が異なることで、析出が異なることが示唆された。
また、高解像度マイクロCTにより、血液にマグネシウムを浸漬した場合に、埋植1日までにガス空隙を形成することが確認され、経時的に縮小することが確認された。これは、臨床応用時にマグネシウム製の骨固定材の周囲に出血がある場合には腐食の促進とともにガス空隙が生じやすく、骨壊死などの合併症のリスクが高くなる可能性を意味している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

生体内に埋植した場合の腐食挙動には不明な点が多く、これまで出血の影響による検討がほとんどなされていなかったため、前提として生体内に埋植した場合の腐食挙動を十分に解明する必要が生じたため。

今後の研究の推進方策

これまでのマグネシウムの腐食挙動の知見から、具体的にβ-TCP含有マグネシウムのネイルを埋植することで、腐食挙動の解明を進める。また、β-TCP含有濃度を変化させることで、どのような腐食挙動の違いや骨形成を誘導するかを確認する。
埋植はウサギを予定し、中期的な腐食挙動の解明を行う。マイクロCTの撮影によるガス形成やネイルの吸収過程を分析する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 骨折環境下によるマグネシウムの分解挙動試験2023

    • 著者名/発表者名
      遊佐 優
    • 学会等名
      第32回日本形成外科学会基礎学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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