研究課題/領域番号 |
23K15950
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
津下 到 京都大学, 医学研究科, 講師 (10806722)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 迅速診断キット / 溶連菌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、発症すれば30%を超える致死率に至る「劇症型壊死性筋膜炎」を早期診断し、救命することを目的とする。A群溶連菌は小さな皮膚軟部組織外傷からでも、劇症型壊死性筋膜炎を引き起こす可能性がある。救命目的で手足の大切断も行われるが、それでも現在の高い致死率となっている。早期診断に基づく治療介入が必要であり、咽頭用のA群溶連菌迅速診断キットを創部に転用する方法がある一方、G群・B群溶連菌による劇症型壊死性筋膜炎の報告が近年増加し、早期診断の必要性はさらに高まっている。本研究では、創傷専用A・G・B群溶連菌迅速診断キットの開発により、劇症型壊死性筋膜炎の救命率を向上させることを目標とする。
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研究実績の概要 |
創傷部専用の溶連菌のマルチ迅速診断キットの新規開発を目指し、A群・G群・B群に関する調査を行った。企業と協力し、国内・国外の市場調査を行った上で、A群溶連菌迅速診断キットの活用状況を国内主要病院の救急科、形成外科、皮膚科を中心にインタビュー調査を実施した。 結果として、G群溶連菌の迅速診断キットの必要性は高いと判断された一方、B群溶連菌は壊死性筋膜炎・壊死性軟部組織感染症の起炎菌として頻度が低く、迅速診断キットで検出できたとしても、治療方針(早期手術の決定)に大きく影響を及ぼさない可能性が示唆された。このため、現在市場に存在しないG群溶連菌迅速診断キットの開発に注力し、完成後にA群・G群の複合迅速診断キット作成に進む方向へ転換した。 2023年度は、G群溶血性連鎖球菌を迅速検出できるイムノクロマトグラフィ法キットを作成するための協力企業の選定を主に行った。用いる既存抗体の選出、試作品作成のコスト、実現可能性などの検討・交渉に時間を要したため、2023年度に準備した経費の一部は2024年度に繰り越し申請を行った。 今後は、①抗ストレプトコッカス・ディスガラクティアエ・ポリクローナル抗体の精製、②連鎖球菌菌株との交差性の確認、③確認がとれれば、イムノクロマト検討へと進めていく予定である。平行してG群溶連菌感染の臨床サンプルのストックを継続しており、キット完成後の確認試験に用いる。2024年度は上記の完成後、今後の臨床試験に向けた量産の可能性を選定企業と検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、G群溶血性連鎖球菌を迅速検出できるイムノクロマトグラフィ法キットを作成するための協力企業の選定を主に行った。 用いる既存抗体の選出、試作品作成のコスト、実現可能性などの検討・交渉に時間を要したため、2023年度に準備した経費の一部は2024年度に繰り越し申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
①抗ストレプトコッカス・ディスガラクティアエ・ポリクローナル抗体の精製、②連鎖球菌菌株との交差性の確認、③イムノクロマト検討へと進めていく。 2024年度は上記の完成後、今後の臨床試験に向けた量産の可能性を選定企業と検討していく予定である。
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