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セロトニン神経系に着目した、咀嚼運動を制御する神経回路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K15966
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分57010:常態系口腔科学関連
研究機関昭和大学

研究代表者

壇辻 昌典  昭和大学, 歯学部, 助教 (60826634)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワードセロトニン神経系 / 咀嚼運動 / 光遺伝学 / DREADD
研究開始時の研究の概要

近年開発された光遺伝学を用いて、咀嚼中にセロトニン神経のみを制御することに成功した。その結果、咀嚼時の光操作によるセロトニン神経の活性化は、咀嚼リズムを速くし、閉口筋の活動を大きく変化させることを新たに見出した。そこで本研究は、咀嚼運動パターンの変化に関与するセロトニン神経の投射先の同定と、投射先でのセロトニンの役割を明らかにし、咀嚼を制御する神経回路解明を目的とする。

研究実績の概要

咀嚼機能が低下すると栄養の偏りや不足を起こし、生活習慣病や要介護のリスクが高まる。そのため、咀嚼機能の維持・増進は、健康寿命の延伸に極めて重要である。しかし、咀嚼の中枢制御メカニズムはほとんど明らかになっていないため、咀嚼機能低下の根本的な予防や治療法は確立されていない。セロトニン神経は咀嚼などのリズミカルな運動で活動が増大することが知られている。申請者は近年開発された光遺伝学を用いて、咀嚼中にセロトニン神経のみを制御することに成功した。その結果、咀嚼時の光操作によるセロトニン神経の活性化は、咀嚼リズムを速くし、閉口筋の活動を大きく変化させることを新たに見出した。そこで本研究は、咀嚼運動パターンの変化に関与するセロトニン神経の投射先の同定と、投射先でのセロトニンの役割を明らかにし、咀嚼を制御する神経回路解明を目的とする。令和5年度には。DREADDによって縫線核内のGABAニューロンを活性化し、セロトニン神経を間接的に抑制した。24時間の絶食後にCNOまたはSalineを投与し咀嚼運動を解析したところ、CNOまたはSaline投与では咀嚼量に変化はないが、CNO投与ではSaline投与と比較し、咀嚼時間が延長し、咀嚼筋活動にも変化が見られた。本研究成果は、セロトニン神経系に焦点を置いた、咀嚼機能低下の予防や治療法の確立が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

セロトニン神経毒である 5,7─DHT投与によって局所的にセロトニン神経を破壊し解析をおこなったが、結果が得られなかったため、やや遅れている。現在、AAV投与により局所的にDREADDやChannelrhodopsin-2を発現させ、咀嚼運動に関与するセロトニン神経の投射先の解明を試みている。縫線核にはセロトニン神経と抑制性の介在ニューロンとしてGABAニューロンが存在する。DREADDによって縫線核内のGABAニューロンを活性化し、セロトニン神経を間接的に抑制した。24時間の絶食後にCNOまたはSalineを投与し咀嚼運動を解析した。CNOまたはSaline投与では咀嚼量に変化はないが、CNO投与ではSaline投与と比較し、咀嚼時間が延長し、咀嚼筋活動にも変化が見られた。

今後の研究の推進方策

AAV投与により局所的にDREADDやChannelrhodopsin-2を発現させ、咀嚼運動に関与するセロトニン神経の投射先の解明を試みている。そのためSertCreマウスなどを導入し、咀嚼運動に関連するセロトニン神経のの投射先を同定する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Involvement of ghrelin in the regulation of swallowing motor activity in an arterially perfused rat preparation2023

    • 著者名/発表者名
      Ishiguro Mitsunori、Nakayama Kiyomi、Nakamura Shiro、Mochizuki Ayako、Dantsuji Masanori、Ihara Yoshiaki、Inoue Tomio
    • 雑誌名

      Brain Research Bulletin

      巻: 192 ページ: 62-69

    • DOI

      10.1016/j.brainresbull.2022.11.006

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Optical imaging of neurons related to fictive swallowing using GCaMP6f in an arterially perfused rat preparation2023

    • 著者名/発表者名
      Koyama Shiori、Nakayama Kiyomi、Mochizuki Ayako、Dantsuji Masanori、Nakamura Shiro、Maki Koutaro、Inoue Tomio
    • 雑誌名

      Journal of Oral Biosciences

      巻: 65 号: 1 ページ: 126-131

    • DOI

      10.1016/j.job.2023.01.009

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Shared GABA transmission pathology in dopamine agonist- and antagonist-induced dyskinesia2023

    • 著者名/発表者名
      Abe Yoshifumi、Yagishita Sho、Sano Hiromi、Sugiura Yuki、Dantsuji Masanori、Suzuki Toru、Mochizuki Ayako、Yoshimaru Daisuke、Hata Junichi、Matsumoto Mami、Taira Shu、Takeuchi Hiroyoshi、Okano Hideyuki、Ohno Nobuhiko、Suematsu Makoto、Inoue Tomio、Nambu Atsushi、Watanabe Masahiko、Tanaka Kenji F.
    • 雑誌名

      Cell Reports Medicine

      巻: 4 号: 10 ページ: 101208-101208

    • DOI

      10.1016/j.xcrm.2023.101208

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 光遺伝学を用いたセロトニン神経の活性化による咀嚼運動への影響2023

    • 著者名/発表者名
      壇辻昌典,望月文子,中山希世美,田中謙二,中村史朗,井上富雄
    • 学会等名
      第14回三叉神経領域の感覚―運動統合機構研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 光遺伝学を用いたセロトニン神経の制御による咀嚼運動の変化2023

    • 著者名/発表者名
      壇辻昌典,望月文子,中山希世美,中村史朗,井上富雄
    • 学会等名
      日本顎口腔機能学会 第 71 回 学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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