研究課題/領域番号 |
23K15986
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
|
研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
高橋 有希 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30778626)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 低ホスファターゼ症 / アルカリフォスファターゼ / 遺伝子治療 / アデノ随伴ウイルスベクター / 先天性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
低ホスファターゼ症(は、硬組織の石灰化不全、乳歯の早期脱落などを主徴とする遺伝性疾患で、血中のアルカリホスファターゼ(ALP)を上昇させる酵素補充療法が適用されているが、異所性石灰化物を生じることがある。そのため、過度に血中ALP活性を上昇させることなく、硬組織の石灰化不全を改善できる新たな治療法の開発が期待されている。本研究では、この点を改善するために環状RNA(circRNAs)に着目し、過度な血中ALP活性の上昇を抑制した上で、硬組織の伸長不全および石灰化不全を改善できる新たな治療法の開発を行う。
|
研究実績の概要 |
低ホスファターゼ症(hypophosphatasia, HPP)は、硬組織の石灰化不全、乳歯の早期脱落などを主徴とする遺伝性疾患で、治療法としては、血中のアルカリホスファターゼ(ALP)を上昇させる酵素補充療法が適用されているが、結膜、腎臓、頸椎靭帯に異所性石灰化物を生じる副作用がある。いずれも、血中ALP活性の過度な上昇が原因であると推察される。そのため、過度に血中ALP活性を上昇させることなく、硬組織の伸長不全および石灰化不全を改善できる新たな治療法の開発が期待されている。 本研究では、この点を改善するために環状RNA(circRNAs)に着目し、血中ALP活性を必要以上に上昇させることなく、硬組織の病状を改善できる新たな遺伝子治療法の開発を目的とした。 HPPモデルマウスと正常マウスの骨髄間葉系幹細胞(BMSCs)を採取後、RNAシークエンス解析を行い、発現が増加もしくは低下しているcircRNAsを同定した。その解析結果に基づき、特に発現量の差が大きかった3種類のcircRNAsを発現するように構築した治療用アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを構築した。血清型は当初9型を使用する予定で作製したが、BMSCsへの導入効率が低く、3種類のcircRNAsの治療効果を比較検討することが出来なかった。そこで、血清型を1型に変更し、再度治療効果を判定するための実験を行っている。 今年度は、HPPモデルマウスに同定したcircRNAs3種類のうち、最も治療効果の高かったものを発現するように構築したAAVベクターを投与し、新規遺伝子治療法による硬組織形成不全への治療効果の確認を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HPPモデルマウスと正常マウスの骨髄間葉系幹細胞を採取し、RNAシークエンス解析を行い、発現が低下しているcircRNAsを同定できた。現在、特に発現量の差が大きかった3種類に関して、そのcircRNAsを発現するように構築したウイルスベクターを作製した。 しかし、当初予定していた血清型(9型)では著しく導入効率が悪く、3種類のcircRNAsの治療効果を比較検討することが出来なかった。そこで、血清型を1型に変更し、再度治療効果を判定するための実験を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、同定したcircRNAs3種類の治療効果の比較検討を行う。そのうち、最も治療効果の高かったものを発現するように構築したAAVベクターを1日齢新生児HPPモデルマウスに静脈内投与を行い、新規遺伝子治療法の硬組織形成不全への治療効果を検証する予定である。サンプリングの時期は、HPPモデルマウスが致死性で、約20日齢で死亡してしまうため、まずは20日齢での血清、大腿骨および顎骨のサンプリングを検討している。
|