研究課題/領域番号 |
23K15997
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
永田 量子 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (40911748)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | Helicobacter pylori / Nested PCR / Immunomagnetic beads / 磁気ビーズ / Oral bacteria / 脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
胃がん等の原因であるHelicobacter pylori(ピロリ菌)は、口腔からも高確率で検出されている。本研究の目的は、抗体を結合させた磁気ビーズを用いて、 口腔サンプルからピロリ菌を分離培養する手法を確立するとともに、デンタルバイオフィルム(DB)に及ぼす影響を解析することである。さらに、口腔ピロリ菌の除菌手法の開発に着手する。例えば、ある種の脂肪酸は、胃のピロリ菌の増殖や胃への感染を抑制するという報告がある。脂肪酸が口腔ピロリ菌およびDBに与える影響をin vitroで解析する。本研究は、口腔ピロリ菌の存在が胃と口腔に与える影響を明らかにし、ピロリ菌感染対策に新たな視点を提供する。
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研究実績の概要 |
本研究ではポリクローナル抗体結合磁気ビーズを用いて、口腔Helicobacter pylori (以下ピロリ菌)を検出する方法を確立し、口腔サンプルから分離できるか否かを検証する。 H. pylori IID3023株を培養し、OD600を5x10-1~10-7まで調整した。また、それらの菌液をStreptococcus mutans UA159懸濁液 (OD600 0.5) にそれぞれ混和した。抗体はAnti-Helicobacter pylori ab20459 (Abcam, Cambridge, England) を使用した。磁気ビーズはDynabeads M-280 Tosylactivated (Veritas, Tokyo, Japan) を用い、プロトコールに従って処理した。各濃度の菌液1mlに反応後回収したビーズを、培養及びNested PCRで回収率を確認した。 結果、培養法ではいずれの濃度でも菌が回収されたが、濃度の低下とともに回収量は低下した。Nested PCRでの検出限界はOD600 5x10-5であった。混合菌液の検出限界はOD600 5x10-4であり、回収率の低下が確認された。 以前の報告により、1st及び2nd PCRによる検出限界はそれぞれOD600 5x10-3、5x10-6である。培養法では全濃度でコロニーが確認されているが、口腔ピロリ菌が培養可能な状態で存在するか不明である。Nested PCRによる検出限界は5x10-5であり、混合菌液では回収率が低下する。口腔ピロリ菌は2nd PCRで検出できる濃度で存在し、磁気ビーズで回収できると証明することはできない。 現在、使用する抗体の種類を増やし、抗体により検出率が異なることを確認している。抗体を混合することで、多様な形態で存在しうる口腔ピロリ菌の検出に対応可能か検証している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
磁気ビーズの抗体付与及びサンプル回収において、効率の良い器具の詮索に時間がかかった。 当初は、抗体も1種類のみ使用していたが、回収効率の向上のために3種類まで増やし、さらに混合することを決定し、それぞれの抗体の特性を見極めることに時間をかけてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
私達の以前の報告により、1st及び2nd PCRによる検出限界はそれぞれOD600 5x10-3、5x10-6である。培養法では全濃度でコロニーが確認されているが、口腔ピロリ菌が培養可能な状態で存在するか不明である。磁気ビーズにて回収したピロリ菌の、Nested PCRによる検出限界は5x10-5であり、混合菌液では回収率が低下する。口腔内にはさらに多種多様な細菌が存在するため、回収率はもっと低下する可能性がある。口腔ピロリ菌は2nd PCRで検出できる濃度で存在し、磁気ビーズで回収できると証明することはできない。 現在、使用する抗体の種類を増やし、抗体により検出率が異なることを確認している。抗体を混合することで、多様な形態で存在しうる口腔ピロリ菌の検出に対応可能か検証している。
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