研究課題/領域番号 |
23K16002
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
四本 かれん 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (00898322)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アメロジェニン / ヒストン修飾 / 免疫抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
エナメル基質タンパク質の主成分であるアメロジェニンが抗原提示細胞の核内に移行した後、どのようなエピジェネティック制御を介して免疫抑制と創傷治癒を促進するのかは依然不明のままである。本研究はアメロジェニンが免疫応答や創傷治癒等に与える影響、およびそこに至るまでの分子メカニズムを解明するため、アメロジェニンの核内移行後のヒストン修飾における作用点の解明、また、人為的にアメロジェニンの活性増強が可能か否かを検証する。さらにこれらの結果をもって、アメロジェニンの投与による 新しい歯周組織再生療法を開発すると共に、新規の免疫抑制剤・自己免疫疾患治療薬の確立に向け研究の展開を図る。
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研究実績の概要 |
先行研究で、アメロジェニンが核内移行しヒストン修飾を誘導することで、マクロファージによる抗原提示を抑制するという現象を報告した。しかし、アメロジェニンが核内に移行した後、どのようなエピジェネティック制御を介して免疫抑制と創傷治癒を促進するのかは依然不明のままである。本研究はアメロジェニンが免疫応答や創傷治癒等に与える影響、およびそこに至るまでの分子メカニズムを解明するため、アメロジェニンの核内移行後のヒストン修飾における作用点の解明、また、人為的にアメロジェニンの活性増強が可能か否かを検証する。さらにこれらの結果をもって、アメロジェニンの投与による 新しい歯周組織再生療法を開発すると共に、新規の免疫抑制剤・自己免疫疾患治療薬の確立に向け研究の展開を図る。 アメロジェニンが免疫抑制剤となり得るか否かを検討するため、C57BL/6マウスからBalb/cマウスへの皮膚移植における拒絶反応の解析を行なった。皮膚の採取(ドナーマウス)において腹腔麻酔し、バリカン・除毛クリームで胸部の腹背側を剃毛し、ハサミでマウスの胸部腹背側の皮膚全層を1x1cm2正方形状に切除。シャーレに生理食塩水を浸したガーゼ上に置き保存した。皮膚の移植(レシピエントマウス)においては、腹腔麻酔し、胸部の腹背側を剃毛。ハサミでマウスの胸部腹背側の皮膚全層を1x1cm2正方形状に切除。ドナー皮膚移植片にアメロジェニン(20マイクログラム分)またはPBSを塗布し、レシピエントの需要部に置き、皮膚移植片を縫合しない。その結果、アメロジェニンの初期塗布だけで対照群と比較して拒絶が6日間延長する傾向が観察された。また、移植片壊死面積スコアに関しても有意に壊死面積の減少が確認された。移植7日後の皮膚組織像では対照群で著しい炎症性細胞浸潤が確認されたが,アメロジェニンでは免疫細胞数とMHC Ⅱ+細胞数が有意に減少した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験動物を使用したアメロジェニンによる免疫抑制高価の検証は順調に進展しているが、構造解析の成果は遅れているため、上記区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
実験動物を使用したアメロジェニンによる免疫抑制効果の検証における他家皮膚移植実験では更なるメカニズムの解析を継続するのと同時に、構造解析を含むアメロジェニンによるユークロマチン阻害メカニズムの解明を進展させる。
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