研究課題/領域番号 |
23K16006
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
竹谷 佳将 明海大学, 歯学部, 助教 (90875379)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 歯周炎 / 外傷性咬合 / メカニカルストレス / 骨芽細胞 / カルシウムイオンチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
歯周炎は歯周病病原細菌が原因となり歯周組織の炎症と歯槽骨吸収が起こる疾患である。歯周炎に罹患している歯に過度な咬合力がかかると急速に歯槽骨吸収を引き起こすと考えられているが、そのメカニズムはいまだ不明な点が多い。そこで本研究では骨芽細胞に発現するメカニカルストレス応答性イオンチャネルTRPV4とPiezo1に着目し、炎症条件下でのメカニカルストレスによる歯槽骨吸収の分子メカニズムの解明と新規治療法の確立を目的とした。マウス頭頂骨由来骨芽細胞を用いてTRPV4およびPiezo1の発現レベル,メカニカルストレス負荷後のRANKL/OPG比の変化等に関して詳細な検討を行う.
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研究実績の概要 |
歯周炎は歯周病病原細菌が原因となり歯周組織の炎症と歯槽骨吸収が起こる疾患である。歯周炎に罹患している歯に過度な咬合力がかかると急速に歯槽骨吸収を引き起こすと考えられているが、そのメカニズムはいまだ不明な点が多い。そこで本研究では骨芽細胞に発現するメカニカルストレス応答性イオンチャネルTRPV4とPiezo1に着目し、炎症条件下でのメカニカルストレスによる歯槽骨吸収の分子メカニズムの解明と新規治療法の確立を目的とした。これまでに、臨床における歯周炎と外傷性咬合による歯槽骨吸収を想定したメカニカルストレス負荷方法の検討を行い、その結果インキュベーター内の小型卓上振とう器上に細胞培養プレートを設置し、200rpm、20分間の旋回振とう刺激を間欠的に負荷することにより、Porphyromonas gingivalis(P.g)由来LPS単独刺激と比較して有意にRANKL/OPG比の上昇が生じることを確認した。2023年度は、本条件下で生じるRANKL/OPG比の上昇にPiezo1の関与があるのか検討した。骨芽細胞様細胞MC3T3-E1にPiezo1 siRNAを導入、あるいはPiezo1アンタゴニストGsMTx4を添加すると前述のRANKL/OPG比の上昇が有意に抑制され、この一連の変化に対してPiezo1が関与していることが示唆される結果を得た。 今後は、歯周炎と外傷性咬合による歯槽骨吸収の分子メカニズムを明らかにするために、P.g由来LPSと上記条件によるメカニカルストレスの共存下で生じた破骨細胞活性の変化に対して、Piezo1に加えてTRPV4がどのように関与しているか、各イオンチャネルのアンタゴニストの添加やRNA干渉によって、更なる詳細な検討を行っていく予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、当初の計画通り、臨床における歯周炎と外傷性咬合による歯槽骨吸収を想定したメカニカルストレス負荷方法を用いて、骨芽細胞にRANKL/OPG比の変化が生じるかどうかを検討した。前述の条件下で、Porphyromonas gingivalis(P.g)由来LPS単独刺激と比較してメカニカルストレスにより有意にRANKL/OPG比の上昇が生じ、その変化にPiezo1が関与していることを確認した。当初の想定よりもメカニカルストレス負荷条件の再設定に時間を要したため、TRPV4の関与ならびにPiezo1との相互作用の関与については未だ検討準備段階であり、2024年度以降に実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、前年度に得られた結果をもとに、同条件でMC3T3-E1にメカニカルストレスを負荷した上で、RANKL/OPG比の変化や骨芽細胞分化マーカーの発現をアウトプットとしてPiezo1とTRPV4の相互作用について検討を行う。メカニカルストレスの負荷方法に関しては前年度までに確立している。Piezo1の場合と同様に、siRNAの導入やアンタゴニストの添加を実施する予定である。またRANKLとOPGの変化に関して、これまではリアルタイムRT-PCR法を用いたmRNA発現のみの検討を行っているため、ウエスタンブロット法によりタンパク発現の変化についても併せて検討する。
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