研究課題/領域番号 |
23K16008
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
原田 晴香 (中里晴香) 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (60962123)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 象牙芽細胞 / 象牙質-歯髄複合体 / Wnt経路 / Hedgehog / FGF / 最初期遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
象牙芽細胞は、骨芽細胞と異なり初代培養後急速に象牙芽細胞としての形質を失うため、継続した長期培養は非常に困難である。象牙芽細胞培養前後の遺伝子発現をRNA-seq法、一細胞系譜解析法により網羅的・包括的に解析し、象牙芽細胞特性の消失機序を解明する。特に培養前後において増減する転写因子遺伝子から象牙芽細胞形質維持に関わる情報伝達メカニズムを解明する。また、これらに関わる刺激因子を同定し、象牙芽細胞分化維持方法の開発および既存の覆髄材では克服することのできなかった象牙質-歯髄複合体の再生モデルと新規組織再生療法開発のための基盤を構築する。
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研究実績の概要 |
象牙質の形成・維持を担う象牙芽細胞は、単離培養すると速やかに特異的性質を喪失する。しかしながら、特異的性質を維持できる培養方法が確立されておらず、象牙芽細胞研究、象牙質再生医療研究における大きな障害となっている。そこで本研究は、象牙芽細胞分化に関するさらなる情報伝達メカニズムの解明をするとともに、象牙芽細胞初代培養法を開発し、象牙質-歯髄複合体再生モデルと新規組織再生療法開発の基盤を構築することを目的とした。2023年度は、新生児マウス歯胚から抽出した歯胚間葉系細胞を用いて、象牙芽細胞マーカーを指標に、mRNA発現およびタンパク局在を経時的に評価した。さらに、候補転写因子を発現するレンチウイルスベクターを過剰発現した時の象牙芽細胞の分化誘導を検証した結果、各々の単独投与では効果を認めなかった。一方、FGF4、FGF9、CHIR99021を全て投与すると、著明な象牙芽細胞マーカーの発現上昇を認めた。候補転写因子に加え、FGF4、FGF9、CHIR99021等の因子も同時に過剰発現させ、象牙芽細胞分化における相互作用の検討を行ったところ、有意に象牙芽細胞マーカーの発現が上昇した。結果の検討を行うため、2024年度は株化間葉系幹細胞(Immortalized Stem Cells of Dental Apical Papilla (iSCAP))、iPS細胞、Dmp1-EGFPおよびDmp1-TdTomatoマウス歯胚から抽出した歯胚間葉系細胞を用いて、同様の方法で実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウス歯胚より歯胚間葉系細胞を分離することに成功したが、脱分化した歯胚間葉系細胞を効率的に再分化させるための条件検討に当初の予定より時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
iSCAP、iPS細胞を用いて象牙芽細胞の分化誘導を検証する。また、Dmp1-EGFPおよびDmp1-TdTomatoマウス歯胚から抽出した歯胚間葉系細胞を用いて、脱分化象牙芽細胞の再分化誘導を検証する。さらに、Dmp1-EGFPおよびDmp1-TdTomatoマウス象牙芽細胞を培養前後でsingle cell(sc)-RNA-seqにかけ、次世代シークエンス解析後、遺伝子発現プロファイル解析を行い、歯胚間葉系細胞内の細胞の種類と亜集団の同定を行う。単一細胞レベルの遺伝子発現を網羅的に解析し、細胞分化系譜とその間の細胞亜集団動態を包括的に解明する。
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