研究課題/領域番号 |
23K16031
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
上野 恭平 朝日大学, 歯学部, 助教 (70837848)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ゼオライト / 薄膜 / 表面処理 / プロポリス / アルテピリンC |
研究開始時の研究の概要 |
歯の喪失に対してインプラント治療の需要が増加しているが、治療期間の短縮およびその維持のために有効な骨結合の早期獲得と歯周炎の予防効果を兼ね備えた表面構造の設計については未だ十分な知見が得られていない。 本申請研究では、機能性材料のゼオライトをインプラント体表面にコーティングし、骨結合促進に適した微細構造を付与し、そこに骨形成能促進効果と抗菌効果を有するプロポリスの主要成分であるアルテピリンCを吸着させ、その相乗効果により従来研究にはない新たな表面特性を有する多機能型インプラント体の開発を行う。
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研究実績の概要 |
歯の喪失に対してインプラント治療の需要が増加しているが、治療期間の短縮およびその維持のために有効な骨結合の早期獲得と歯周炎の予防効果を兼ね備えた表面構造の設計については未だ十分な知見が得られていない。これまでの研究で、インプラント基板上に物理化学的特性を制御可能な無機材料である「ゼオライト」のコーティングが骨結合を促進させること、また、ミツバチが産生する天然産物であるプロポリスの主要成分である「アルテピリンC」に骨形成促進効果があることを見出している。さらに、アルテピリンCには抗菌効果があることもわかっている。そこで、本申請研究では、インプラント体の新たな表面特性をデザインするために、ゼオライトコーティング層にアルテピリンCを吸着させ、その相乗効果により『骨結合の早期獲得と抗菌効果を併せもつ多機能型インプラント体』を開発することを目的としている。 本年度は、まずチタン基板上へのゼオライト薄膜のコーティング条件の検討を行った。コーティング用のゼオライトは高い安定性を有し、純シリカで構成され高い有機物選択性を有するMFI型の骨格をもつシリカライト-1を選択した。製膜は水熱合成法を用いて行い、水性合成混合液組成、合成温度、合成日数を変化させることで基板上へのゼオライト層の厚みを変化させた。得られたサンプルはX線構造解析、電子顕微鏡観察、エネルギー分散型X線分析などを用いて多角的に分析することで、合成条件がインプラント体の表面特性に与える影響について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初の計画通り基板上へのゼオライト薄膜調製技術の確立を目指し、製膜条件の検討を行った。合成条件を変化させることによって、基板表面のゼオライト薄膜層の表面特性が変化したことから、調製したゼオライトコーティング基材を用いて、ハイドロキシアパタイトの析出試験への影響を現在評価しており、順調に計画が進行していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、さまざまな条件により得られたシリカライト-1薄膜層の表面特性の影響を、試料を疑似体液に浸漬して、基板上へのアパタイト析出評価を行うことで検討し、表面特性と骨形成の関係をまとめる。また、ゼオライト薄膜層へのアルテピリンCの吸着試験を行い、アルテピリンC吸着量の異なるインプラント体を作製し、得られた試料表面上のアルテピリンC分布および化学状態を評価する。さらに、アルテピリンCの徐放特性の経時変化やHA析出評価も行い、実験系に適した表面性状の探索を行う。
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