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プラズマローゲンを用いた新規歯周病治療法の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 23K16033
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分57030:保存治療系歯学関連
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

神田 龍平  大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (00878449)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードプラズマローゲン / 歯周病
研究開始時の研究の概要

本研究の目的はプラズマローゲンによる歯周病病態への影響を明らかとし、プラズマローゲンの歯周病進行抑制の可能性について検討する事である。まずプラズマローゲンの抗炎症作用およびそのメカニズムについて培養細胞を用いて検証し、さらに動物モデルを用いてプラズマローゲンの歯周病進行抑制作用について実験を行う。また歯周病患者でのプラズマローゲン量の測定を行い歯周病進行とプラズマローゲンの関係についても検討する。これらの検討により、プラズマローゲンの歯周病病態形成への関与の解明およびプラズマローゲン投与による歯周病進行抑制の可能性について明らかとする。

研究実績の概要

昨年度の実験計画に基づき、培養細胞におけるプラズマローゲンの抗炎症作用を明らかにすることを目的とし、炎症刺激時における種々の歯周組織(結合組織)構成細胞に対するプラズマローゲン前処理の効果を検討した。具体的には、マウス膵ラ氏島微小血管由来内皮細胞株(MS-1)、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)、歯肉線維芽細胞(HGF)を対象とし、代表的な歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisの内毒素(P.g-LPS)刺激時における各細胞での種々の接着分子発現亢進が、プラズマローゲン添加培地での前培養により減弱する結果を得た。このことにより、組織局所に対する免疫細胞の遊走、浸潤を制御することで、歯周炎の進行をコントロールする可能性が示唆された。
またHGFにおいて、プラズマローゲン前処理は代表的な炎症性サイトカインであるTNFa刺激時におけるMMP-1発現亢進を減弱させることが明らかとなり、組織の代謝、リモデリングを調整することで、局所の組織破壊を制御する可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

23年度の実験計画に基づき、培養細胞におけるプラズマローゲンの抗炎症作用に関する実験を実施しており、いくつかの学術研究論文として公表するに至った。しかしながら、歯周病とプラズマローゲンレベルの関係については、附属病院との連携を調整中であり、実施に至っていない。また、動物実験でのトライアルでは、自由飲水によるプラズマローゲン投与を試みたが、歯周組織破壊に対する十分な効果は検証しえず、効果的な投与方法について再度検討する必要性が生じた。その他の研究活動、教育業務のため、当初予定していた計画より「やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

「歯周病とプラズマローゲンレベルの関係」については、歯周病患者からサンプルを採取する必要がある。したがって、診療科との連携および最適な試料採取、保管、解析方法の確立が必須であり、現在、適正な実験スキームならびに実現可能なプロトコルを模索中である。また、動物実験についても一部実施を試みたが、安定したプラズマローゲンの投与方法、組織破壊程度の評価法について、さらなる改良が必要である。
当初予定に対し「やや遅れている」としたものの、培養細胞におけるプラズマローゲンの抗炎症作用については一定の有用性が確認できており、本年度の研究スケジュールの一部であるメカニズム解析に関する実験の一部を既に開始している。その他研究計画と並行し、随時推進する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Plasmalogen inhibits MMP-1 production by TNFα in human gingival fibroblasts2023

    • 著者名/発表者名
      KANDA Ryuhei、IWASAKI Kengo、FUJINO Takehiko、KAWAZOE Takayoshi
    • 雑誌名

      Journal of Osaka Dental University

      巻: 57 号: 2 ページ: 233-237

    • DOI

      10.18905/jodu.57.2_233

    • ISSN
      0475-2058, 2189-6488
    • 年月日
      2023-10-25
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Novel Carboxylation Method for Polyetheretherketone (PEEK) Surface Modification Using Friedel?Crafts Acylation2023

    • 著者名/発表者名
      Lyu Xinghui、Kanda Ryuhei、Tsuda Susumu、Hashimoto Yoshiya、Fujii Takamasa、Kashiwagi Kosuke
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 号: 21 ページ: 15651-15651

    • DOI

      10.3390/ijms242115651

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Bioactive Polyetheretherketone with Gelatin Hydrogel Leads to Sustained Release of Bone Morphogenetic Protein-2 and Promotes Osteogenic Differentiation2023

    • 著者名/発表者名
      Zhang Ruonan、Jo Jun-Ichiro、Kanda Ryuhei、Nishiura Aki、Hashimoto Yoshiya、Matsumoto Naoyuki
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 号: 16 ページ: 12741-12741

    • DOI

      10.3390/ijms241612741

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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