研究課題/領域番号 |
23K16037
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
羽田 多麻木 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (80908038)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 3Dプリント義歯 / リン酸亜鉛 / 抗菌性 / 機械的物性 / 組成最適化 / デジタル義歯 / 3Dプリント技術 / 高強度 / 審美性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,デジタル技術を応用した有床義歯製作法の開発が進み,短時間で効率よく製作可能な3Dプリント義歯が増加傾向にある.しかし,3Dプリント樹脂は低機械的物性だけでなく,プリント層に堆積した義歯の汚れから真菌が増殖し,全身へ播種した場合,誤嚥性肺炎や腸管内感染を引き起こすという問題がある.そこで,顔料や歯科用セメントにも応用され,亜鉛イオン徐放によって抗菌性を発現するリン酸亜鉛(ZnP)フィラーに着目した. 本研究では,ZnP添加量の探索,複合樹脂の特性評価,義歯造形および精度検証を実施し,デジタル義歯材料の組成最適化を目指す.
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研究実績の概要 |
R5(2023)年度【項目(A) 3Dプリント光硬化性樹脂へ混合する最適なZnPの添加量の調査】 義歯床3Dプリント光硬化性樹脂(PMMA)にリン酸亜鉛(ZnP)を0wt%(コントロール), 10 wt%, 20 wt%, 30 wt%, 40 wt%, 50 wt%ずつ添加し混合させた複合樹脂(PMMA-ZnP)をDLP式の3Dプリンタにて3Dプリント造形した各種サンプルついて,in vitroで細胞毒性試験とC. albicansを用いた抗菌活性試験を行った.試験の結果,理論的にはZnPの濃度に応じて細胞毒性値と抗菌活性値に勾配がつくかと思われたが,予想に反し細胞毒性値と抗菌活性値の両方にばらつきが生じた.そのため,IPAによるサンプルの洗浄方法やその他一連の手技を見直し,再度試験を行なったが結果は同じだった.そのため,今回試験したサンプルのでき(表面の状態,サンプル表面に上手くZnPが出ているか)によっては,期待される結果からのブレがあり得えるのではないかとの考察に至った.そこで現在,予備的検討としてPMMAに6種類の濃度のZnPを練りこんだサンプル上のZnPの露出状態を確認する表面分析(XPS)を行うため,新たなサンプルの準備を行なっている.表面分析(XPS)によって,練り込んだZnPが極表面の分析で検出されるか,また試料間で検出量に差があるかを確認し,今後の方針を検討する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リン酸亜鉛(ZnP)を添加し混合させたPMMA-ZnPを3Dプリント造形したサンプルついて,in vitroで細胞毒性試験とC. albicansを用いた抗菌活性試験を行った.理論的にはZnPの濃度に応じて細胞毒性値と抗菌活性値に勾配がつくかと思われたが,予想に反し値にばらつきが生じた.それによって,追加の予備的検討としてサンプル上のZnPの露出状態を確認することになったため.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,追加の予備的検討の結果次第であるが,サンプル上のZnPの露出状態に問題がなければ他の影響を模索必要がある.一方,サンプル上のZnPの露出状態に問題があった場合は,サンプルの製作方法を見直す必要がある.最終的な細胞毒性試験と抗菌活性試験の結果を参考に,物性評価の際のリン酸亜鉛(ZnP)の添加量を決定し,サンプル作成に進む予定である.
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