研究課題/領域番号 |
23K16043
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
原 昌士 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (10885297)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自己組織化ナノデバイス / 遺伝子活性化基質 / 骨再生 / DDS / Nanoball / 骨再生治療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、骨欠損部に対して自家骨移植に匹敵する新たな治療法を開発する。そこで、骨形成に関連するタンパク質をコードした遺伝子を修飾する新規自己組織化ナノデバイスを応用した遺伝子活性化基質の基質を改良し、局所で強い骨誘導性を発揮させ骨再生治療を達成する。具体的には、骨形成促進に関与する遺伝子のベクターとして、最外殻の電荷がアニオン性またはカチオン性のNanoballを応用し、同時にβ-TCPなどを組み込んだ人工骨基質を改良することで、高効率な骨形成を成し得るGAMを開発する。そのためには、β-TCPなどの人工骨の選定、コラーゲンの架橋や人工骨の混合比を調整し、高機能骨誘導型GAMを開発する。
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研究実績の概要 |
顎骨・歯槽骨の再生治療は、現在でも自家骨移植がgold standardであるが、侵襲が大きく、また、採取量に限界がある。そこで、申請者らは成長因子や間葉系幹細胞の応用を試みた。しかし、例えばBMPは移植後の副作用発現、幹細胞の応用には個人差や培養の不安定さといった課題がある。そのため、蛋白と比較し生体に対して安定性の高いplasmid DNA(pDNA)を搭載した骨誘導型遺伝子活性化基質(gene-activated matrix :GAM)の開発を試みた。siRNA等のデリバリーに有効なatelocollagen基質にBMP4をコードするnaked pDNAやmicroRNAによるGAMを作製し、ラット頭蓋骨に移植したところ、0.5-1mgの遺伝子量で一定の骨誘導効果が確認できた(Umebayashi et al,2015, Shido et al, 2020)。しかしながら、導入試薬応用時のpDNA量(0.02-0.1mg)と比較すると依然として高容量であった。そこで、新規高分子材料(Dendrigraft poly-L-lysin;DGL)を応用した自己組織化nanodevice(Nanoball)をGAMに搭載することで5μgの遺伝子量で同等の骨誘導効果を認めた(Hara et al,2022)。GAM基質の改良や搭載遺伝子の調整を行うことで骨誘導能を有するGAMの開発が可能になると考えた。本研究では、人工骨とatelocollagenの配合比、使用する人工骨や熱架橋を加えたatelocollagenを応用することでNanoballに適した基質を開発することを目的としている。本年度は各条件のGAMを作製しラット頭蓋骨の骨造成モデルならびに骨欠損モデルに移植し、至適条件を組織学的、ならびにCT画像評価で検討した。現在得られた結果をまとめ、評価を行っている最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノパーティクルを有するTCP、2倍量TCPを応用したGAMの作製を行い、ラットへの移植実験を終了し、組織評価を行える状況になっている。ひとまず有効性について検討できる段階に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
熱架橋アテロコラーゲンを応用したGAMを作製し、TCPとの配合比を調整する。Nanoballに適したGAMの至適条件を評価検討する。また、Nanoballに標的細胞へのDDSを強化する目的で、リガンドコンジュゲーションを検討する。
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