研究課題/領域番号 |
23K16044
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大塚 裕太 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (10822520)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | アパタイト / 破骨細胞 / メカノケミカル合成 / ドラッグデリバリーシステム / コラーゲン |
研究開始時の研究の概要 |
ストロンチウムの投与は骨粗しょう症患者の治療に有効であることが示唆されているが、バイオマテリアルの組み合わせによるドラッグデリバリーシステム(DDS)の機能を有した骨充填材料の報告は少ない。本研究は、機能性骨充填材料であるストロンチウム炭酸アパタイト/コラーゲンを開発し、破骨細胞分化への影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ストロンチウムの投与はラネル酸ストロンチウムを代表例として骨粗しょう症患者の治療に有効であることが示唆されている。バイオセラミックスとの組み合わせによるドラッグデリバリーシステム(DDS)の機能を有した骨充填材料の報告は少ない。本研究では、機能性骨充填材料であるストロンチウム炭酸アパタイト/コラーゲンを開発し、破骨細胞分化への影響を明らかにする予定である。 骨粗しょう症患者に対してストロンチウムの投与が有効であることが示唆されている。骨補填材としてストロンチウム炭酸ナノクリスタルアパタイトが有効であることが考えられた。 本研究では、水酸化ストロンチウム、水酸化カルシウム、第二リン酸カルシウムからメカノケミカル合成法にてストロンチウム炭酸ナノクリスタルアパタイトを合成した。合成されたアパタイトはストロンチウムを含み、その濃度に応じて結晶格子が変動することが明らかとなった。 焼結することでストロンチウムアパタイトを合成し、Raman分光、FTIR分光、テラヘルツ分光、NMR分光法および熱分析による解析でインタラクションを明らかにした。テラヘルツ分光ではストロンチウムイオン濃度に応じて3THzのピークが変動することが明らかになった。 細胞試験の結果、コントロールサンプルと比べて破骨細胞分化能が抑制されていることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ストロンチウム炭酸アパタイトの合成に成功した。メカノケミカル合成を用いて水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、第二リン酸カルシウムを粉砕合成した。分光スペクトルの解析によってストロンチウムが結晶格子に入っていることが明らかとなった。また、イオン濃度に応じて結晶格子のサイズが変化していることが明らかとなった。細胞試験の結果、破骨細胞への分化を抑制することを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
今後の検討としてコラーゲンを複合化させたストロンチウム炭酸ナノクリスタルアパタイトのin vivo系での検討を行う。これはメカノケミカル合成によってストロンチウム炭酸ナノクリスタルアパタイトを合成し、ラット、マウス、ゼブラフィッシュなどを使った実験系にて破骨細胞への分化を抑制するのかを明らかにする予定である。またインシリコでのインタラクション解析を行うことでコラーゲンとの相互作用を明らかにする手掛かりを探索する。
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