研究課題/領域番号 |
23K16046
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
渡辺 崇文 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10845390)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 顎補綴装置 / 顎義歯 / 適合性 / 口腔内スキャナ / 3Dプリンタ / デジタルワークフロー / 3Dプリント / 口腔内スキャン |
研究開始時の研究の概要 |
従来法による顎義歯製作は煩雑で難易度が高く,その成否は術者の熟練度に依存する.そのため,顎義歯製作のデジタル化に向けた研究がなされてきているが,多くは症例報告にとどまり,口腔内での適合状態の評価はなされていない. そこで,本研究の目的は,口腔内スキャンデータおよび光造形(SLA)方式3Dプリンタによる顎義歯の顎堤粘膜や欠損腔周縁における口腔内での適合状態をデジタルデータ化し,従来法の顎義歯と比較・分析することである.本研究により顎義歯のデジタル製作の実用化に向けた課題点を明確にすることで,製作工程の新たな工夫やアプローチに具体的な方向性を示すことができる.
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研究実績の概要 |
顎義歯の製作は通常の義歯と同様に印象材を用いる方法が一般的であるが,上顎顎欠損を有する患者の欠損腔周囲は手術により形態が複雑化していることが多く,印象採得により印象材の迷入や印象体が口腔内から撤去できなくなるリスクを伴う.そのため,光学印象採得などのデジタル技術を応用した顎義歯製作法のメリットは大きい. 研究初年度は上顎顎欠損を有する被験者2名について,口腔内スキャンデータおよび光造形(SLA)方式3Dプリンタを用いて顎義歯(顎補綴装置)の製作を行った.顎義歯製作に際し,口腔内スキャナデータから直接クラスプ(義歯の維持鉤)を製作したが期待する精度ではなかった.精度低下の要因を調査するためデジタルデータの重ね合わせによる評価を行ったところ,従来法のシリコーンを用いた印象法と口腔内スキャンデータとの誤差(40~200μm),口腔内スキャンデータから3Dプリンタで造形することによる誤差(80~200μm)が原因であることを確認した.複数の工程で誤差が生じていることから,顎義歯の顎堤粘膜や欠損腔周縁における口腔内での適合性を評価するためにはクラスプにおける精度を比較対象群と揃える必要があると考えた.そこで,クラスプ部分のみ従来の印象材を用いた方法を採用し,得られた作業模型をデジタルデータ化,PC上で口腔内スキャンデータとマッチングさせる手法により顎義歯を製作する製作法の変更を行った.製作方法の変更後現在新たな顎義歯製作を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
顎義歯製作に際し,口腔内スキャナデータを使用してクラスプ(義歯の維持鉤)を製作したが歯列に適合させるために大幅な修正を必要とした.当初予定していた製作方法と異なる工程でクラスプ製作する必要性があると考え,製作に時間を要したため.
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今後の研究の推進方策 |
次年度はクラスプの製作に関しては従来の印象材を用いた製作法を採用し,比較対象群とクラスプの製作における条件を揃える.引き続き症例数の確保,適合性に関するデータの収集を行い,デジタル技術により製作した顎義歯の実用性について調査を継続する.
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