研究課題/領域番号 |
23K16047
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
原田 惇朗 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (00962177)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | インプラント / チタン / 低温大気圧プラズマ照射 / インプラント周囲結合組織 / 表面改質 / 網羅的遺伝子解析 / dental implant / titanium / low temperature plasma / connective tissue / wound healing |
研究開始時の研究の概要 |
歯科用インプラントによる口腔粘膜貫通部は生体防御能が低く、感染の起点となることでインプラント周囲炎を発症し問題視されている。この予防のため、低温大気圧プラズマ照射による表面改質が有効であることを明らかとしたが、分子生物学的なメカニズムは不明である。本研究では、低温大気圧プラズマ照射によるインプラント周囲結合組織接着モデルを用いて網羅的遺伝子解析法によるインプラント周囲上皮の下方成長抑制、インプラント周囲結合組織幅の増加・維持に関与する遺伝子・タンパクを同定する。本研究の成果は、インプラント周囲炎の予防法の確立へつながり、長期安定したインプラント治療により国民の健康に大きく寄与できると考える。
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研究実績の概要 |
歯科用インプラントによる口腔粘膜貫通部は生体防御能が低く、感染の起点となることでインプラント周囲炎を発症し問題視されている。これを予防するためには、インプラント周囲上皮を抑制しインプラント周囲結合組織の付着幅を増加させることで重要であり、これまでに低温大気圧プラズマ照射によるインプラント体の表面改質が有効であることを明らかとしたが、分子生物学的なメカニズムの解明には至っていない。 本研究では、低温大気圧プラズマ照射によるインプラント周囲結合組織接着モデルを用いて網羅的遺伝子解析法(RNA-シーケシング)によるインプラント周囲上皮の下方成長抑制ならびにインプラント周囲結合組織幅の増加・維持に関与する特定遺伝子・タンパクを同定することを目的とした。 初年度では、「小型低温大気圧プラズマ照射によるインプラント周囲結合組織接着モデルと非照射インプラントモデルを次世代シーケンサー(RNAシーケンス)による網羅的遺伝子解析」を行うこと目的とした。現在4~5週例のSD系ラット(雄性)に低温大気圧プラズマ照射および非照射のインプラント体を埋入し、インプラント周囲結合組織接着モデルラットを作製し、RNAシーケシングに使用するサンプルの採取を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在RNAシーケンシングを行うためのインプラント周囲結合組織接着モデルラットの作製、インプラント周囲結合組織の採取を行っている。サンプリングにあたり、上皮および結合組織を含めて採取し、その後インプラント周囲結合組織を選択的にサンプリングすることを予定していたが、手技が煩雑であるため、技術の獲得に時間を要し、進捗がやや遅れている原因となった。そのためサンプル間での上皮と結合組織の割合も同等で、獲得できるRNA量も安定することから、上皮と結合組織を含めたサンプルでの解析を行うことも検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は現在作製しているインプラント周囲軟組織からRNA抽出を行い、次世代シーケンサーを用いてRNAシーケンスを行う予定である。特異的に発現上昇を示した遺伝子群に対してGene Ontology解析を行い「接着」「遊走」に関連する遺伝子を選択する。 また網羅的遺伝子解析で特異的な発現を示した遺伝子のタンパクレベルでの発現・局在ならびにin vitro実験による特異的遺伝子発現の機能評価を行っていく。
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