研究課題/領域番号 |
23K16049
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
深井 譲滋 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (30822655)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ヒト歯髄細胞 / 歯科用レーザー / BMP / smad / Cytochrome C oxidase / 歯髄 / 光受容体 / 硬組織形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、遠赤外線領域の炭酸ガスレーザーと近赤外線領域の半導体レーザーでの硬組織形成を評価するとともに、可視光域の600 nmから近赤外領域の光に対する光受容体であるCytochrome C oxidaseの活性を調べることでレーザー光線が歯髄細胞に与える影響を解明する研究である。
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研究実績の概要 |
歯科領域における歯髄の保存は、患歯の予後に大きく影響すると言われている。光線力学療法の応用は生体に対して非侵襲な療法であるとともに、患者に苦痛を与えない治療法であると言える。申請者は覆髄法のさらなる成功率の向上に、従来の方法にレーザー光線という刺激を付与することによって歯髄細胞の持つ硬組織形成の効率を上げる方法に注目し研究を重ねてきた。レーザー光線の歯髄細胞に与える影響の更なる解明の一助として、細胞内に存在する特定 の吸収帯を有する物質に光子エネルギーが吸収される光受容体、特に可視光域の600 nmから 近赤外領域の光に対する光受容体のCytochrome C oxidaseに注目している。本研究では、硬組織形成促進の更なる効率化をはかる為、今までの研究より出力を上げた状態の炭酸ガスレーザーで、ヒト歯髄培養細胞に与える硬組織形成能と抗炎症作用の関係について研究を重ね、その結果、炭酸ガスレーザー照射は単体では硬組織形成に影響を及ぼすわけではないが、高濃度PGE2添加による硬組織形成抑制作用を炭酸ガスレーザーによって打ち消すことが示唆された。今後は照射条件を合わせた波長810 nmの半導体レーザーを用いた時の硬組織形成のシグナルについて検証を重ねることによって波長領域の大幅に異なるレーザーを用いた時の硬組織形成能の違いについて可視光域の600 nmから近赤外領域の光に対する光受容体であるCytochrome C oxidaseに注目して評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
波長810nmの半導体レーザーによる硬組織形成のシグナルの検索に難航している。照射条件は決まっているのだが、データが優位差を得られる状態ではないため、データ数を増やす予定である。また、Cytochrome C oxidaseの活性の検索に難航している。こちらは新規にはじめた手技なのでテクニカルエラーであるのか、実際の事象を反映しているのかの判断も思わしくない。シグナル伝達が明確な刺激タンパクを新規購入し、手技の精度の安定化を図る必要があるとも考えられる。 上記からやや遅れていると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
波長10.6 μmの炭酸ガスレーザーと波長810 nmの半導体レーザーが高濃度PGE2を添加したヒト歯髄培養細胞に与える硬組織形成能を明らかにするために、OCN、BMP-2、Phospho smad1/5/8、smad6、Phospho NF-κB p65、Total NF-κB p65の遺伝子発現をリアルタイムPCR、タンパク質発現をWestern blot法、硬組織形成の確認をAlizarin red染色を用いて検討する。また、レーザー照射 直後の細胞にCytochrome C oxidaseが関与しているかを明らかにするために、出力を一定にした810 nmの半導体レーザーと炭酸ガスレーザーをヒト歯髄培養細胞に照射した際のCytochrome C oxidaseの活性をCytochrome C Oxidase Assay Kitを用いて検討する予定である。
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