研究課題/領域番号 |
23K16112
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 太一 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20829600)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | 口腔内超音波走査 / 音響カップリング材 / アーチファクト |
研究開始時の研究の概要 |
模型上で音響カップリング材およびラップによるアーチファクトの有無・画像計測の正確性を調査し、最も正確に模型を描出した条件を実際の口腔内超音波走査に応用する。既存の音響カップリング材との計測誤差異について病理組織標本を基準として比較検討する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は口腔内超音波走査におけるDOI計測の正確性向上のために、アーチファクトの影響を排除し、粘膜上皮を正確に描出することを可能にする音響カップリング材の開発である。研究初年度(2023)年度の研究実地計画として1)既存の高分子ゲル音響カップリング材、ラップの音響インピーダンスの計測。2)音響インピーダンスおよび内部エコー輝度の異なるカップリング材を製作し、口腔粘膜を模した模型上でアーチファクトについての解析。とした。1)について既存の高分子ゲル音響カップリング材の音響インピーダンスは14.2±0.8N・s/m3であり、水と有意差の無い数字であった。高分子フィルムの音響インピーダンス解析については現在解析中である。2)について、内部エコーを無エコーあるいは中等度エコーに設定し、音響インピーダンスを水と同等あるいは水の1/2に設定した四種類の音響カップリング材を製作した。模型は中等度エコーを呈する高分子素材の上に粘膜上皮層を想定した無エコー素材を重積した模型を製作した。粘膜上皮層を想定した無エコー素材は厚み0mm(無エコー素材を使用しない)、1mm、3mmとした。四種類の音響カップリング材のうち、音響インピーダンスが水と同等で内部エコー中等度のものは表面反射および多重反射を生じず、その他のカップリング材は表面反射あるいは多重反射のいずれかが計測された。この結果から、アーチファクトの原因としてはカップリング材の内部エコーと音響インピーダンスが関係し、アーチファクトの低減にはカップリング材の内部エコーを粘膜下層や筋層と同程度の中等度エコーにする必要があると解析により示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画では音響カップリング材の他にラップの音響学的な解析を進める予定であった。ラップの素材である高分子化合物での計測は可能であったが、実際の口腔内走査では厚み0.01mm~0.05mm程度の薄いフィルムとして使用するため、音響インピーダンスの差異が実際に画像に影響を及ぼすか否かの解析を模型上で改めて行うこととした。
|
今後の研究の推進方策 |
計画書のとおり、最も正確に模型を描出した条件を口腔癌の走査に応用し、病理組織像を基準として従来の走査条件と比較する。
|