研究課題/領域番号 |
23K16117
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
福谷 多恵子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (60882040)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Synovial Chondromatosis / Chondrogenic Tumours / 滑膜性軟骨腫症 / 軟骨形成腫瘍 / iPS細胞 / Gli1 / 口腔外科 |
研究開始時の研究の概要 |
滑膜性軟骨腫症(Synovial Chondromatosis:SC)は、滑膜組織内に多発性、異所性の軟骨の発生を認める腫瘍性疾患である。顎関節では比較的稀だが、症状が非特異的であるため二次診断が困難で病悩期間が長期にわたる。しかし、その発症機序は不明で、SCの診断・治療法の開発は急務である。申請者は、SCの患者の病変および血液より抽出したDNAより遺伝子解析を行い、Gli1遺伝子とのSCとの関連性について報告した。一方、当研究室では、種々の遺伝性顎顔面疾患患者細胞から疾患特定的人工多能性幹細胞 (iPSC)のに成功しており、SC患者由来の疾患特異的iPSCを樹立し病態解明を行うこととした。
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研究実績の概要 |
「滑膜性軟骨腫症特異的iPSC」樹立と病原変異遺伝子ゲノム手術による疾患研究
顎関節に生じる滑膜性軟骨腫症は比較的稀な疾患であるとされているが、顎関節症や口腔心身症などと誤診され、見過ごされることが多く、潜在的には多くの患者がいると考えられている。 たしかに、通常のレントゲンやパノラマ検査では、この疾患を発見することは難しい一面もあるが、CTやMRI検査をすれば発見できる。一方で、CTやMRI検査は撮影できる施設は限られていることが、見過ごされる一因となっている。しかし、歯科用コンビームCTで撮影すれば、発見しやすいとの報告も多く、歯科用コンビームCTであれば、近年、歯科開業医でも設置されている施設が増加している。 初年度となる本年度は、まずは、多くの医師・歯科医師、また、看護師、衛生士に本疾患のこの特性を理解してもらい、難治性の顎関節症や、顎に症状を持つ口腔心身症などの患者には、歯科用コンビームCTでの検査を推奨すること、そして、滑膜性軟骨腫症の疑いがある患者については、当院に紹介していただきたい旨を、広島大学病院の関連病院の耳鼻科、歯科口腔外科、ならびに、全国の学会(日本口腔外科学会、広島大学歯学会など)や勉強会に出向き、広報することを主な業務とした。また、当研究室での無血清培養における疾患特異的iPSCの研究も継続的に行い、その精度をあげること、併せて、この疾患の変異遺伝子について追究することに尽力した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度となる本年度は、まずは、多くの医師・歯科医師、また、看護師、衛生士に本疾患のこの特性を理解してもらい、難治性の顎関節症や、顎に症状を持つ口腔心身症などの患者には、歯科用コンビームCTでの検査を推奨すること、そして、滑膜性軟骨腫症の疑いがある患者については、当院に紹介していただきたい旨を、地域の関連病院の耳鼻科、歯科口腔外科、ならびに、全国の学会や会合に出向き、広報することを主な業務としたが、 なかなか、症例数が増えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、滑膜性軟骨腫症の疑いがある患者については、当院に紹介していただきたい旨を、地域の関連病院の耳鼻科、歯科口腔外科、ならびに、全国の学会や会合に出向き、広報し、まずは症例数を増やすことに尽力したい。 併せて、当研究室での無血清培養における疾患特異的iPSCの研究も継続的に行い、その精度をさらに上げて、当疾患の変異遺伝子の研究に活かしていく所存である。
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