研究課題/領域番号 |
23K16129
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
柳沼 樹 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60845064)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 口腔扁平上皮がん / 浸潤 / BMP3b / BMP-3b / 顎骨浸潤 |
研究開始時の研究の概要 |
顎骨への浸潤は転移の契機となるため予後は悪くなる.よって,いかに口腔扁平上皮がん(OSCC)の顎骨浸潤を制御するかが重要な課題である.予備実験から,“OSCCが顎骨に浸潤する際に形成される骨浸潤ニッチにおいて,宿主骨組織から分泌されるBMP-3bがOSCCの顎骨浸潤を制御している”との仮説を立てた.そこでBMP-3bの発現がないノックアウトマウスと過剰に発現するトランスジェニックマウスに対して顎骨浸潤マウスを作製し解析を行う.
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研究実績の概要 |
口腔がんのほとんどは扁平上皮がんで,その発生率はがん全体2%とされるが,社会の高齢化に伴い増加している.口腔扁平上皮がん(OSCC)は比較的早期に解剖学的に近接する顎骨に浸潤する.顎骨への浸潤は転移の契機となるため予後は悪くなる.また骨の切除が広範囲になると術後に摂食障害や発音障害が生じる可能性あることから,口腔がん治療において,いかに顎骨浸潤を制御するかが重要な課題である.がんは本質的にゲノム異常を原因とする疾患であることから,個々のがん細胞のゲノム異常を網羅的に調べ,変異に基づいた個別化治療を行うがんゲノム医療が期待を集めている.しかしながら,腫瘍内・腫瘍間不均一性などによる治療抵抗性により,現在のところ十分な成果を挙げているとは言い難い.一方で,がん宿主の免疫機構には大きな個人差があり,免疫チェックポイント阻害薬が,ある種のがんに奏効することなどを鑑みても,広くがん治療の反応性や予後に免疫機構が関与することが知られている.さらに免疫機構のみならず,いわゆる“体質”と呼ばれる宿主側の遺伝子背景が,がんの病態に関与することが示唆されているものの明確なエビデンスは存在しない.そのため,今後のがん医療の発展のためには,がん細胞自体の変異だけでなく,宿主の視点から“がん”にアプローチしていく必要がある. BMP-3bはのコンベンショナルノックアウトマウスを入手し,大腿骨のマイクロCT解析を行ったところ,ノックアウトマウスで骨量が増加していた.BMP-3bは骨形成を担う骨芽細胞に発現し,骨吸収を担う破骨細胞にはほとんど発現していなかったことからBMP-3bはIn vivoにおいても骨形成を抑制している可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定に従って順調にデータが取れているため.
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今後の研究の推進方策 |
なるべく早い時期にIn vivoの実験を終了させ,データを取りまとめ,論文の執筆に取り掛かりたい.
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