研究課題
若手研究
近年、リンパ管に浸潤した癌細胞は、抗酸化作用を受けて細胞死耐性を獲得することが明らかになり、リンパ管内の酸化還元制御は癌の転移に対する治療標的となり得る。申請者らは、悪性黒色腫の舌-顎下リンパ節転移モデルの転移成立前リンパ節組織やリンパ管内皮細胞において、レドックス制御機能を持つシスチン/グルタミン酸輸送体xCT(SLC7A11)の発現が増加することを見出した。本申請研究では、リンパ管内皮細胞のxCTが抗酸化物質であるグルタチオンの産生を調節することによって、癌細胞に酸化ストレス耐性を与え、増殖、遊走、生存を促進するかを、細胞培養および口腔扁平上皮癌リンパ節転移モデルを用いて明らかにする。