研究課題/領域番号 |
23K16140
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
矢島 優己 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (60867042)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / 分子標的薬 / レンバチニブ |
研究開始時の研究の概要 |
すでに実施済みのマウス扁平上皮癌モデルを用いた研究で、レンバチニブに対する感受性に差があることを明らかにし、その差がFXYD3の発現強度の違いに起因するのではないかと考えた。FXYD3が腫瘍微小環境に免疫学的に影響を与えるかは不明であるため、本研究では、扁平上皮癌に対するレンバチニブ治療の効果をマウス扁平上皮癌モデルを用いて免疫学的解析や腫瘍微小環境の解析から検討する。また、臨床検体を使って口腔扁平上皮癌組織におけるFXYD3の発現と臨床病理学的特徴との関連を解析し、バイオマーカーとしての有用性を評価する。
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研究実績の概要 |
マウス扁平上皮癌細胞株(mSCC1、mSCC2)を移植した野生型マウス(BALB/c)にレンバチニブを投与し、抗腫瘍効果の確認を行った。mSCC2では一時的な腫瘍増殖抑制を認めるも長期的な抗腫瘍効果は認められなかったが、mSCC1の腫瘍増殖は有意に抑制された。 続いて、レンバチニブの腫瘍微小環境へ与える影響について評価するため、マウス扁平上皮癌組織の免疫組織染色(血管新生、リンパ管新生マーカー)を行った。レンバチニブの投与により、αSMA陽性細胞が減少したことから腫瘍血管とがん関連線維芽細胞(CAF)の減少が示唆された。また、CD31陽性細胞の減少も見られ、血管内皮細胞の減少が示唆された。さらにLyve-1陽性細胞も減少しており、リンパ管の減少が示唆された。レンバチニブはマウス扁平上皮癌に対して、血管抑制、リンパ管抑制の効果を示すことが示唆された。 レンバチニブの癌細胞への直接的な影響を確認するため、mSCC1、mSCC2をレンバチニブ含有培養液で培養したところ、濃度依存的に細胞増殖抑制が見られた。続いて、レンバチニブが免疫細胞に与える直接的影響を確認するため、各々の細胞株の培養上清をマウス脾臓細胞に加えて、培養し、T細胞の分裂割合を解析した。mSCC2の培養上清はmSCC1に比べてT細胞の分裂を強く抑制した。次にマウス脾臓細胞をmSCC1、mSCC2の培養上清とレンバチニブを含有した培養液で培養し、T細胞へのレンバチニブの直接的影響を確認した。生細胞の割合から培養上清の抑制率を算出し、比較検討を行った。mSCC2の培養上清の抑制率の方がmSCC1に比べて、レンバチニブの濃度依存的に低かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
マウス扁平上皮癌細胞株の差に影響を及ぼすと仮定しているFXYD3発現の有無と抗腫瘍効果の差について、in vitroおよびin vivoで検証していく。
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