研究課題/領域番号 |
23K16142
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
駒 綾香 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (60963098)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | スーパーエンハンサー / オープンクロマチン / ATAC-seq / Chip-seq / OSCC / 機能性RNA / マイクロRNA / セツキシマブ |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は、自分自身の運命を決定する極めて重要な場面において、「スーパーエンハンサー」(SE)と定義される強力な転写制御領域をゲノム上に形成し、細胞の生死に関わる「マスター分子」を強力に発現させる事が明らかになった. この概念を癌細胞の治療抵抗性獲得機序に当てはめ、癌細胞は抗癌剤などの薬剤に暴露された際に、自らの生存を賭けてSEを形成し、治療抵抗獲得に不可欠な「マスター分子」を発現させると考えられる.
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研究実績の概要 |
本申請研究では、OSCC細胞に放射線照射や抗癌剤を暴露させた際に形成されるスーパーエンハンサー(SE)などのゲノム領域を同定し、申請者がこれまでに作成している「OSCC機能性RNA発現プロファイル」と、SEなどのゲノム情報を統合することで、治療抵抗性に関与する「マスター分子」を同定することを目的としている。本年度は、抗癌剤(セツキシマブ)抵抗性に関与するSEや放射線抵抗性に関与するオープンクロマチン領域、抗癌剤(シスプラチン)作用時間によって変化するオープンクロマチン領域をOSCC細胞で同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OSCC細胞において、BRD4やH3K27ac抗体を用いてセツキシマブ(CTX)抵抗性に関与するSE領域を同定した。また、OSCC細胞における放射線抵抗性・感受性に関与するオープンクロマチン領域をATAC-seq解析で同定した。さらに、シスプラチン(CDDP)を作用させて、時間経過(6H、24H)と共に形成されるオープンクロマチン領域についてもOSCC細胞で同定した。申請者が以前の研究で作成した「HNSCC/OSCC機能性RNA発現プロファイル」と、CDDPや放射線暴露時のオープンクロマチン領域もしくはCTX関連のSE領域の情報を統合し、抗癌剤や放射線抵抗性に関与する「機能性RNA分子」の候補を探索している。
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今後の研究の推進方策 |
候補となった「機能性RNA分子」について、The Cancer Genome Atlas (TCGA)データベース解析を行い、癌組織における発現や、臨床病理学的解析を行い、更なる絞り込みを行う。さらに、遺伝子改変OSCC細胞を作製し、各種抗癌剤や放射線に対する感受性が変化するか、検討する。
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