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放射線照射の惹起する認知機能障害からの回復を目的としたKCC2発現制御機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K16159
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分57060:外科系歯学関連
研究機関鹿児島大学

研究代表者

五十嵐 健人  鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00822876)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード酸化ストレス / 放射線照射 / 新奇物体認識試験 / オキシトシン / 神経細胞 / KCC2 / Gタンパク質共役型受容体 / レポーターアッセイ / 動物行動試験
研究開始時の研究の概要

【背景】小児脳腫瘍治療では成人よりも少ない2Gy以下の線量が設定されるものの、神経細胞へのダメージを解消するのは難しい。我々はこれまで4週齢の幼若マウス頭部に1.5Gyのガンマ線照射を3日間実施し、1週間後に新奇物体認識試験の成績低下を見出した。また放射線照射マウスでは、カリウム-塩化物イオン共輸送タンパク質であるKCC2の発現が低下しており、照射後にオキシトシンを経鼻投与したマウスでは発現の回復を見出している。【目的】放射線照射後に低下したKCC2遺伝子発現を回復する分子機構を解析し、同様の作用を示す候補化合物を探索する。KCC2との関連が示唆される症状を幅広く改善する可能性が期待される。

研究実績の概要

放射線治療はがんに対する有効な治療の一つである一方で、脳機能の低下を伴う恐れがある。我々はこれまで細胞内から細胞外へ塩化物イオン濃度を排出しているカリウム-塩化物イオン共輸送タンパク質であるKCC2に着目し、放射線照射後のマウス神経細胞ではKCC2の発現が低下していることを明らかにした。さらに照射後のオキシトシン投与がKCC2の発現を促進し、放射線治療時の認知機能防護に有用な治療薬候補の一つであることをこれまで示した。本研究計画は経鼻投与したオキシトシンがマウス脳内のどのような領域にどのように作用しているのか明らかにすることを目的として、神経解剖学的観点と分子生物学的観点の両面から解析する。オキシトシン受容体はGタンパク質共役型受容体の1つであることから、その下流に位置する細胞内シグナル伝達因子であり、かつ、KCC2遺伝子発現制御に関わることが明らかとなっているERK、CREBに着目して、神経芽細胞腫由来のSH-SY5Y細胞に過酸化水素およびオキシトシン添加培地を添加したあとの発現量とリン酸化状態の変化について解析した。さらにKCC2プロモーター領域に作用している転写因子を探索するため、KCC2上流域を含むレポータープラスミドを作成して培養細胞に導入し安定発現株を取得した。次年度以降は引き続きKCC2発現制御に関わる分子機構を解析するとともに、オキシトシンアナログを用いて頭部放射線照射後のマウス脳に生じている効果を解析できるように準備していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は主に培養細胞を用いて過酸化水素処置後のオキシトシン添加がERKおよびCREBタンパク質の発現とリン酸化状態にもたらす作用を解析した。先行研究ではリン酸化CREBの増加がKCC2の発現量低下と関連すると指摘されているが、リン酸化CREBが直接結合するシス調節領域は特定されておらず、間接的に制御しているとしても仲介している因子は不明である。2023年度はヒトKCC2遺伝子の上流領域を含むレポータープラスミドを作成しており、安定発現細胞株も取得している。次年度以降これを用いてKCC2遺伝子発現制御により直接的に関与している転写因子を探索する。

今後の研究の推進方策

2024年度は引き続きKCC2発現制御に関わる分子機構を解析するとともに、オキシトシンアナログを用いて頭部放射線照射後のマウス脳に生じている効果を解析できるように準備していく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comparative data on emotional (psychotic) aggressive biting behavior in mice of ddY strain measured by using two devices; Aggressive response meter and powerlab-compatible type aggressive response meter2023

    • 著者名/発表者名
      Igarashi Kento、Kuchiiwa Satoshi、Kuchiiwa Toshiko、Tomita Kazuo、Sato Tomoaki
    • 雑誌名

      Data in Brief

      巻: 48 ページ: 109231-109231

    • DOI

      10.1016/j.dib.2023.109231

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The effect of diazepam on aggressive biting behavior of isolation-reared ddY mouse is different between male and female.2023

    • 著者名/発表者名
      Igarashi Kento, Kuchiiwa Satoshi, Kuchiiwa Toshiko, Tanaka Koh-ichi, Kitanaka Junichi, Kitanaka Nobue, Nishiyama Nobuyoshi, Tomita Kazuo, and Sato Tomoaki
    • 学会等名
      第97回日本薬理学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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