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ビタミンD誘導体による難治性骨破壊性疾患の治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K16165
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分57060:外科系歯学関連
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

相馬 智也  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10624637)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードビタミンD誘導体 / 顎骨壊死 / 歯科インプラント / 骨代謝 / 薬剤関連顎骨壊死
研究開始時の研究の概要

口腔顎顔面外科領域では口腔内疾患の多くに骨吸収や骨破壊などを伴う炎症性疾患が多く認められる。ビスフォスフォネート製剤などによる骨吸収製剤の副作用である薬剤関連顎骨壊死も炎症を伴う骨破壊性疾患のひとつである。申請者はこれまで、ビスフォスフォネート製剤を投与したマウスモデルを用い、炎症性サイトカインが、骨壊死の発生や破骨細胞を介した骨破壊を引き起こすことを明らかにした。近年、ビタミンDの抗炎症作用が注目されており、そこで本研究では、炎症を伴う難治性骨破壊性疾患に対するビタミンDの分子メカニズムを解明し、新たな治療方法の確立を目指したい。

研究実績の概要

薬剤関連顎骨壊死動物モデルは、これまでにも報告されてきたがその多くは薬剤に焦点を当てた研究である。骨吸収抑制剤は全身投与にも関わらず、歯科口腔外科領域の上下顎骨や耳鼻咽喉科領域の外耳道など限られた部位にしか壊死が発症しないという観点から、薬剤だけでなく口腔内常在菌による感染が発症に寄与していることが予想される。そこで本研究では、骨吸収抑制薬の投与と口腔内常在菌により骨壊死がどのように生じるのかについて、解析をすすめている。
口腔顎顔面外科領域では口腔内疾患の多くに骨吸収や骨破壊などを伴う炎症性疾患が多く認められる。ビスフォスフォネート製剤などによる骨吸収製剤の副作用である薬剤関連顎骨壊死も炎症を伴う骨破壊性疾患のひとつである。。申請者らはこれまで、ビスフォスフォネート製剤を投与したマウスを用い、ブドウ球菌接種による感染性骨壊死マウスモデルで、IL-1,IL-6,TNFαなどの炎症性サイトカインが、骨壊死の発生や破骨細胞を介した骨破壊を引き起こすことを明らかにした。本研究では、骨吸収抑制薬を投与したマウスを用い、マウス顎骨外科的侵襲を加えて薬剤関連顎骨壊死を引き起こすモデルの作成を行い、それにビタミンD誘導体の全身投与を行う事で外科的侵襲の及んだ局所での炎症性サイトカインの抑制を確認している。さらに研究内容をすすめ、現在歯科インプラント周囲での骨吸収を示す病変であるインプラント周囲炎動物モデルでの骨吸収抑制効果の検証も開始している状況である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

顎骨を抜歯したモデルで口腔内に菌をとどめ、顎骨においてもこれまで大腿骨で起きていた骨壊死がみられるか研究を進めていた。さらに、今回はマウス下顎骨で薬剤関連顎骨壊死を引き起こすモデルの作成に成功している。その後、ビタミンD誘導体等の全身投与により骨壊死の抑制効果についても確認することができた。さらに研究内容をすすめ、現在歯科インプラント周囲での骨吸収を示す病変であるインプラント周囲炎動物モデルでの骨吸収抑制効果の検証も開始している状況である。

今後の研究の推進方策

ヒト顎骨の手術での摘出検体を用いての解析は、外科的切除の適応が限られているためこれまでの報告も少ない。そこで、当科では倫理委員会の承認を得て、ヒト顎骨の摘出検体を用いて、アポトーシスの解析を目的としたTUNEL、TNFαの免疫染色をはじめ、他の炎症性サイトカインの発現など、件数を増やし解析を進めていきたいと考えている。
また、今後、確立しているマウスモデルを使用し、メカニズムの解明と骨壊死の抑制効果を確認することのできたビタミンD誘導体の作用機序についてさらに解析を進めたいと考えている。さらに研究内容をすすめ、インプラント周囲炎動物モデルでの骨吸収抑制効果の検証も開始し解析を継続して行っていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Low energy availability reduces bone mass and gonadal function in male mice2023

    • 著者名/発表者名
      Ito Eri、Sato Yuiko、Kobayashi Tami、Soma Tomoya、Matsumoto Tatsuaki、Kimura Atushi、Miyamoto Kana、Matsumoto Hideo、Matsumoto Morio、Nakamura Masaya、Sato Kazuki、Miyamoto Takeshi
    • 雑誌名

      Journal of Bone and Mineral Metabolism

      巻: 41 号: 2 ページ: 182-192

    • DOI

      10.1007/s00774-023-01413-2

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evaluation of the surgical approach based on impacted position and direction of mesiodens2023

    • 著者名/発表者名
      Kimura Moemi、Yasui Takazumi、Asoda Seiji、Nagamine Hiroki、Soma Tomoya、Karube Takeshi、Kodaka Rie、Muraoka Wataru、Nakagawa Taneaki、Onizawa Katsuhiro
    • 雑誌名

      Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology

      巻: 35 号: 1 ページ: 23-29

    • DOI

      10.1016/j.ajoms.2022.07.015

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] インプラント周囲炎抵抗性抗菌デンタルインプラントの開発2023

    • 著者名/発表者名
      那須真奈, 森川暁, 相馬智也, 宮下英高, 相澤守, 中川種昭
    • 学会等名
      第77回NPO法人日本口腔科学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 抗菌性アパタイトコーティングチタンへの塩基性線維芽細胞増殖因子の担持とその材料特性2023

    • 著者名/発表者名
      朱 星雨, 鈴木 来, 大沼恵里香, 円城涼美, 宮下英高, 相馬智也, 中川種昭, 森川 暁, 相澤 守
    • 学会等名
      無機マテリアル学会第146回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Fabrications of Paste-like Artificial Bones using Calcium Carbonate Loaded with Silver Nanoparticles and Their Anti-bacterial Materials Properties2023

    • 著者名/発表者名
      Yuki KAMAYA, Shiori KATO, Hidetaka MIYASHITA, Tomoya SOMA, Taneaki NAKAGAWA, Satoru MORIKAWA, Mamoru AIZAWA
    • 学会等名
      International Symposium on Inorganic and Environmental Materials
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 嫌気性細菌によるインプラント感染は銀イオンコーティングインプラントで抑制される2023

    • 著者名/発表者名
      相馬智也, 本間風花, 中川種昭, 宮本健史
    • 学会等名
      第68回(公社)日本口腔外科学会総会・学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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