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近赤外超短パルスレーザーによる変形性顎関節症の病態制御技術の確立と作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K16203
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分57070:成長および発育系歯学関連
研究機関広島大学

研究代表者

坂田 修三  広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (60911526)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード近赤外超短パルスレーザー / 変形性顎関節症 / コールドレーザー / 軟骨細胞
研究開始時の研究の概要

変形性顎関節症は、下顎頭の破壊を初期病変とする疾患で、現在のところ有効な治療法が存在しない。近年開発された近赤外超短パルスレーザーは、従来のレーザーと比較して組織に熱損傷を惹起せず、高いエネルギーを深部組織に到達させることができる。本研究では、変形性顎関節症に対する近赤外超短パルスレーザーの有効性を検証し、その作用機序を解明することで、変形性顎関節症に対する新たな治療法としての可能性を探索することを目的とする。

研究実績の概要

歯科臨床において、変形性顎関節症 (TMJ-OA) を伴う患者に遭遇する。顎関節症の治療法は主に対症療法であり、患者への侵襲性が少なく、有効な新規の治療法の確立が急務である。
近年開発された近赤外超短パルスレーザー (コールドレーザー) は、従来のレーザーと比較して、組織の熱損傷を惹起せず、高いエネルギーを深部組織に到達させることができる。しかしながら、コールドレーザー照射が軟骨基質代謝に及ぼす影響については解明されていない。そこで、2023年度では、コールドレーザー照射がヒト培養軟骨細胞(NHAC-Kn)の軟骨基質合成能に及ぼす影響について検討を行った。軟骨細胞に軟骨分化培地を添加し、コールドレーザー照射群においては、培地添加と同時にレーザー照射を行った。添加および照射後12時間、24時間、48時間後のmRNAを回収し、アグリカン、Ⅱ型コラーゲン、SOX9の遺伝子発現の変化をreal-time PCR法にて検討した。アグリカンおよびSOX9の遺伝子発現は、培地添加後48時間後にピークを認め、Ⅱ型コラーゲンの遺伝子発現は24時間後にピークを認めた。また、培地添加およびレーザー照射後48時間後の遺伝子発現を解析したところ、アグリカンおよびSOX9の遺伝子発現に関しては、対照群とレーザー照射群との間に有意な変化が認められなかったのに対し、Ⅱ型コラーゲンの遺伝子発現に関しては、レーザー照射群において有意な発現上昇を認めた。また、シグナル伝達経路に関しても検討を進めており、軟骨基質の産生に関わるERK pathwayの変化がレーザー照射によって認められた。今後は、さらに詳細な解析を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、軟骨細胞に対する軟骨基質合成能の変化を評価するとともに、シグナル伝達経路についても解析を進めており、概ね順調に進行していると考える。

今後の研究の推進方策

今後は、変形性顎関節症モデルマウスを用いて、in vivo実験系におけるコールドレーザーの軟骨組織に対する影響を検討する予定である。また併せて、シグナル伝達経路のさらに詳細な解析を進めるとともに、軟骨細胞の三次元培養系を用いて解析を行うことを検討している。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] High-frequency near-infrared semiconductor laser irradiation suppressed experimental tooth movement-induced inflammatory pain markers in the periodontal ligament tissues of rats2023

    • 著者名/発表者名
      Nakatani Ayaka、Kunimatsu Ryo、Tsuka Yuji、Sakata Shuzo、Ito Shota、Kado Isamu、Putranti Nurul Aisyah Rizky、Terayama Ryuji、Tanimoto Kotaro
    • 雑誌名

      Lasers in Medical Science

      巻: 38 号: 1 ページ: 109-109

    • DOI

      10.1007/s10103-023-03761-x

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 高周波近赤外線領域半導体レーザー照射がヒト培養細胞セメント芽細胞の骨分化能に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      中谷文香、國松亮、柄優至、坂田修三、宮内睦美、高田隆、谷本幸太郎
    • 学会等名
      第82回日本矯正歯科学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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