研究課題/領域番号 |
23K16211
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
松村 幸恵 日本大学, 歯学部, 専修医 (00906373)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 三叉神経脊髄路核尾側亜核 / パッチクランプ / 免疫組織学的解析 / 光遺伝学的手法 / 電気生理学的手法 / 光遺伝子技術 / 痛覚情報 / 局所神経回路メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
小児において,痛みに対する恐怖心は成人よりも大きいものの,実際に感じる痛みは成人に比べ鈍感である。実際に,齲蝕に患児本人は気が付かず,学校検診やかかりつけ医での定期健診にて発見される場合や,かかりつけ医を持っていない患児は早期発見ができず,歯髄炎や根尖性歯周炎(C3)まで進行してようやく齲蝕があったことに気が付くという印象を多く受ける。そこで申請者は,痛覚情報を受容する三叉神経脊髄路核尾側亜核の神経活動に着目し,それらの局所神経回路メカニズムに幼若ラットにおける痛覚情報がどのように影響するか明らかにすることを目的として本研究計画を立案した。実験には光遺伝子技術と電気生理学的手法を導入する。
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研究実績の概要 |
実際の小児歯科診療における経験から,小児期では、齲蝕があっても,歯髄炎や根尖性歯周炎まで進行してようやく気付くことが多いという印象を受ける。実際に,小児歯科を受診した初診患者の齲蝕罹患状況を調査したところ,齲蝕症第二度(C2)よりも歯髄炎や根尖性歯周炎などの齲蝕症第三度(C3)を有する割合が高かったと報告されている。それは,小児が痛みに鈍感だからなのではないかと考えた。三叉神経は顔面感覚の求心性神経線維を含み,その支配領域からの痛覚情報は,三叉神経脊髄路核の尾側亜核に送られ,二次ニューロンに伝えられる。ここでシナプスを替え,二次ニューロンの軸索は視床後腹内側核を介して,大脳皮質一次体性感覚野に伝えられ,口腔顔面の痛み感覚として認知される。痛覚情報を受容する幼若ラットの三叉神経脊髄路核尾側亜核でも,申請者が過去に報告した幼若ラット島皮質でのサブスタンスPのNOを介したグルタミン酸の放出確率の減少による興奮性シナプス後電流の抑制が,同じように生じているのではないだろうかと考えた。しかし,現状では,三叉神経脊髄路核尾側亜核における小児期の痛覚の特性に焦点を当てた研究は極めて少ない。そこで,痛覚情報を受容する三叉神経脊髄路核尾側亜核の神経活動に着目し,それらの局所神経回路メカニズムに幼若ラットにおける痛覚情報がどのように影響するか明らかにすることを目的として実験を行った。まず,三叉神経脊髄路核尾側亜核でのNK1受容体の発現様式を確認するために免疫組織学的解析を行った。NK1受容体は三叉神経脊髄路核尾側亜核の表層ニューロンに存在していることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は①幼若ラットの三叉神経脊髄路核尾側亜核でのNK1受容体の発現様式を確認するために免疫組織学的解析を行う②逆行性トレーサーを用いた幼若ラットの三叉神経脊髄路核尾側亜核からの投射領域についての検討し,同定した脳領域にウイルスベクターを注入し,三叉神経脊髄路核尾側亜核を含むスライス標本を作製して,光刺激による興奮性シナプス後電位の応答を解析する③幼若ラットの疼痛モデルにおいて三叉神経脊髄路核尾側亜核を含むスライス標本を作製して光刺激による興奮性シナプス後電位の応答の対照群を比較することであったが、②疼痛ストレス負荷時に三叉神経脊髄路核尾側亜核に投射ニューロンを送っている脳領域の検討について,目的としている部位に逆行性トレーサーを注入する必要があるが,注入座標の決定に訓練を要しているため時間がかかり,終了していないため現在の進行状況に関してはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
口腔顔面領域における侵害情報は主に三叉神経脊髄路核尾側亜核へ入力する。腕傍核は,三叉神経脊髄路核尾側亜核から上行性に投射する主要な神経核の一つと言われている。幼若ラットでもそうなのか,また,幼若ラットにおいて,三叉神経脊髄路核尾側亜核の興奮性シナプス後電位をどのように変化させるのか,今後は,以下の順で研究を行う。①腕傍核に逆行性トレーサー(コレラトキシンB)を注入し,腕傍核に投射する三叉神経脊髄路核尾側亜核ニューロンの細胞体を逆行性に蛍光標識する。②①で同定した脳領域にチャネルロドプシン2を発現させるアデノ随伴ウイルスベクターを注入し(AAV),三叉神経脊髄路核尾側亜核を含むスライス標本を作製して,オプトジェネティクス法を用いて三叉神経脊髄路核尾側亜核→腕傍核の上行性投射線維を特異的に活性化させ,ホールセル・パッチクランプ法にて三叉神経脊髄路核尾側亜核における抑制性および興奮性ニューロンから興奮性シナプス後電流を記録する。③疼痛モデルにおいて三叉神経脊髄路核尾側亜核を含むスライス標本を作製して光刺激による興奮性シナプス後電位の応答の対照群を比較する。
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