研究課題/領域番号 |
23K16213
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
高橋 美文 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70823962)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 骨形成不全症 / 下顎骨形態 / 不正咬合 / 歯牙移動 / 発生発達 / 骨代謝 / 歯の移動実験 |
研究開始時の研究の概要 |
矯正歯科臨床では、顎口腔の奇形、変形などの先天異常により不正咬合をもつ患者は少なくなく、患者の背景に合わせた矯正治療法の確立は重要である。本研究ではⅠ型コラーゲンのプロα2鎖の遺伝子(COL1A2)に変異を引き起こす骨形成不全症モデルマウス(Oim+/-:Col1a2Oim/+)を用いて、「頭蓋顔面口腔領域の表現型が発生するプロセスと不正咬合の発生機序の解明」および「“歯牙移動システム”を応用した骨代謝メカニズムの解明」を行うことを目的とし、治療が困難とされていた骨系統疾患患者の矯正治療法の開発を行いたいと考えている。
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研究実績の概要 |
骨系統疾患のうち最も発生頻度が高いと言われている骨形成不全症(Osteogenesis imperfecta)は、結合組織の主要な成分であるⅠ型コラーゲンの遺伝子変異により、全身の骨脆弱性による易骨折性や進行性の骨変形を示す疾患である。口腔顔面領域にも臨床症状を認め、多くの患者に反対咬合などの咬合異常が生じると報告されているが、発生機序ついては不明であり、不正咬合改善のための治療法は確立されていない。したがって、本研究ではⅠ型コラーゲンのプロα2鎖の遺伝子(COL1A2)に変異を引き起こす骨形成不全症モデルマウス(Oim+/-:Col1a2Oim/+)を用いて、「頭蓋顔面口腔領域の表現型が発生するプロセスと不正咬合の発生機序の解明」および 「“歯牙移動システム”を応用した骨代謝メカニズムの解明」を行うことを目的とし、治療が困難とされていた骨系統疾患患者の矯正治療法の開発を行いたいと考えた。 2023年度は、不正咬合の発生機序の解明を目的に、骨形成不全症モデルマウスの上下顎骨の骨形態解析を行った。その結果、8週齢Oim-/-の下顎骨形態は、WTに比較し、下顎骨全体の大きさは小さいが、臼歯高は大きく、骨長と骨体長に対する下顎枝長は小さく、下顎臼歯は近心に位置し、さらに下顎骨が開大していることが確認された。ここまでの研究成果について、第82回日本矯正歯科学会で学術発表を行った。 また、“歯牙移動システム”を応用した骨代謝メカニズムの解明を目的に、8週齢Oim-/-の歯牙移動実験を行った。現在は歯の移動実験は終了しており、CT解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Oim-/-の下顎骨形態の解析については、軟X線写真やCTによる解析の他に、免疫染色等を用いた組織学的解析を行う予定としていたが、切片作成時にうまく資料を獲得できず、新たな結果を得ることができなかった。組織学的解析を進めるためには、新たにサンプルを採取する必要があると考えている。 また、上顎骨の解析については、解析方法や解析項目の検討を行っている最中である。 また、歯牙移動実験は順調に進み、骨組織のCT解析は終了間近であるが、組織学的解析にはまだ着手できていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度中に、歯牙移動実験の組織学的解析を行い、得られた結果をまとめ、学会発表、論文作成を行う予定である。 上下顎骨の骨形態解析については、新たにサンプルを得る必要があるため、来年度中はサンプルの採取を行いたいと考えている。
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