研究課題/領域番号 |
23K16227
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
濱本 結太 広島大学, 病院(歯), 助教 (00848476)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 糖尿病神経障害 / サルコペニア / 咀嚼能率 / 咀嚼機能障害 / 口腔機能不全症 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病は歯周炎などの関連が明確で、更に糖尿病神経障害の合併がオーラルフレイルのリスクを高めることが明らかとなり、各患者の口腔機能低下を考慮した食事栄養指導・歯科治療が必須である。しかし実際の糖尿病治療においては、口腔機能はほとんど評価されない。本研究完遂により糖尿病神経障害と口腔機能低下の関連が明らかとなれば、糖尿病悪化に影響する局所炎症の除去以外にも低下した口腔機能を回復させることの重要性を示すことができ、糖尿病治療の一環として口腔機能が評価されるようになると予想される。歯科介入の増加により高品質な糖尿病治療が提供できるようになれば、歯科医師が患者の血糖コントロールに寄与できると考える。
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研究実績の概要 |
糖尿病と歯周炎の関連について、これまで歯周炎の炎症という側面にフォーカスが当てられて研究されてきた。一方で、歯周炎が進行して歯が脱落すると、歯周組織の炎症自体は縮小していくが、糖尿病に対しては咀嚼障害という機能障害の側面で悪影響を与えると考えられる。本研究では、そういった歯周炎の機能障害という側面が糖尿病と関連しているかを調べることを目的としている。 本研究の対照者は広島大学病院内分泌・糖尿病内科に教育入院となった1型および2型糖尿病患者とした。入院中に歯周組織検査および咀嚼能率検査を行い、糖尿病の各因子とどのような関連があるか多変量解析を用いて検討した。 その結果糖尿病の3大合併症である糖尿病神経障害の発症と咀嚼能率が相関関係を示し、また、歯の欠損による咀嚼能率の低下が少ない20本以上残存歯を有する患者でソーティングを行ってもこの相関関係は維持された。更に、多変量解析の結果においても、糖尿病神経障害を有する患者では有意に咀嚼能率の低下を認めた。 これらの原因として、糖尿病神経障害による直接的な三叉神経障害、もしくは糖尿病神経障害に伴うサルコペニアに関連した咀嚼筋機能障害を考察した。糖尿病神経障害の直接的な脳神経障害としての三叉神経障害は報告がなく、今後動物実験による検討を計画している。また、サルコペニアの関連については追加の臨床研究を現在進行中で、同対象患者についてサルコペニアと口腔機能障害の診断を付け加えてサンプリングを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの流行も終息傾向にあり、教育入院患者の紹介が比較的順調に進んでいるため、進捗度はおおむね良好と考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの臨床研究の考察を引き続き検討する。 動物実験は糖尿病神経障害モデルマウスを用いて、三叉神経の神経障害物質の定量を行う。 サルコペニアについては、追加の臨床研究が現在進行中である。これまでの研究の検査データに加えて、サルコペニアと口腔機能障害の診断を追加し、より詳細な検討を予定している。
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