研究課題/領域番号 |
23K16237
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
岩井 浩明 朝日大学, 歯学部, 講師 (20847214)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Helicobacter pylori感染 / 3種混合薬物療法 / アモキシシリン / 齲蝕 / 尿素呼気試験 / 予防医学 / 胃癌対策 / Helicobacter pylori |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに申請者は、齲窩内の歯髄におけるH. pylori遺伝子保有を報告した。しかし、齲窩へのH. pylori付着のメカニズムは不明のままである。また、一旦H. pyloriを除菌しても再度検出される症例が散見している。そこで申請者は、H. pyloriは、齲蝕の齲窩内の感染歯質に対する付着能を有する。さらに、H. pylori除菌の失敗は、齲窩内に付着しているH. pyloriが関連していると仮説を立てた。 本研究では、H. pylori臨床分離株の齲窩内の細胞への付着能を評価する。さらに、H. pylori除菌後の日本人成人を対象に、除菌の失敗の有無と齲蝕との関連を検討する。
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研究実績の概要 |
これまでに申請者は、齲窩内の歯髄におけるHelicobacter pylori菌(H. pylori)遺伝子保有を報告した。今日、H. pylori感染に対する治療方法として、複数の抗生剤を用いた除菌療法が広く行われている。しかし、一旦H. pyloriを除菌しても再度検出される症例が散見している。そこで申請者は、H. pylori除菌の失敗は、齲窩内に付着しているH. pyloriが関連していると仮説を立てた。 これまでのところ、朝日大学病院にてH. pylori除菌を行った226名(男性76名、女性150名、平均年齢52.7歳)に対して、口腔内の健康状態に関して歯科医師による口腔内診査や自記式質問票による調査を行った。 その結果、H. pylori除菌に失敗した者は226人中38人(17%)であった。H. pylori除菌に失敗した者は、成功した者と比較して、う蝕歯を保有する(p = 0.004)傾向がみられた。多変量ロジスティック回帰分析では、性別、年齢、ブラッシング頻度を調整した後、H. pylori除菌の失敗は、齲蝕歯(有:オッズ比:2.611、95%信頼区間:1.072-6.362)と関連があった。さらにH. pylori除菌に失敗した者の割合は、う蝕歯の本数に応じて増加した(p = 0.002)。これらの結果から、H. pylori除菌の失敗はう蝕と関連している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
目標とする解析可能なサンプル数を収集できている。今後は、H. pylori除菌の失敗におけるさらなる公衆衛生学的関連因子を評価したい。
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今後の研究の推進方策 |
齲蝕とH. pylori除菌の失敗の関連について、さらなる公衆衛生学的因子の解明のために、今後サンプル数を増やし検討を加えたい。
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