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国内既存データと国際保健行為分類(ICHI)との変換ツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K16250
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
研究機関千葉大学

研究代表者

阿部 幸喜  千葉大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80409151)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワードICHI / ICD / ICF / レセプト電算マスターコード / マッピングプロセス / 日本整形外科学会手術データベース(JOANR) / Mapping study / 電算マスターコード
研究開始時の研究の概要

国内の各専門医学会が蓄積する医療行為と臨床効果のデータベースは、分類基準が国際分類と合致せず、学術発表に十分に活用されていない懸念がある。今般、WHOが開発した国際保健行為分類(ICHI)は、医療・介護・公衆衛生などの保健行為の国際標準分類であり、国際疾病分類ICD-11と協働して保健医療行為全般の標準分類となるものと思われる。本研究は、国内の医療行為分類の中で最も実用頻度の高い分類基準の一つであるレセプト電 算マスターコードと国際標準分類ICHIコードとの大規模な変換ツールを開発する初めての試みである。医療行為データの分類基準の標準化と国際間比較の促進に寄与することを目的とする。

研究実績の概要

近年、国内各専門医学会が蓄積している医療行為と臨床効果のデータベースは、国際的にも学術的価値が高くなりつつある。しかし、一方で、データの分類基準が国際分類と合致せず、他国のデータとの詳細な国際間比較が困難なため、学術発表や臨床医療に十分に活用されていない懸念がある。今般、WHOが開発した国際保健行為分類(International classification of Health Intervention:ICHI)は、医療・介護・公衆衛生などの保健行為の国際標準分類であり、国際疾病分類(International classification of disease)ICDと国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF)と協働して、今後、保健医療行為全般の標準分類となるものと思われる。
本研究においては、国内の保健医療行為のコード(保険報酬申請用のレセプト電算マスターコード:レセ電コード)とICHIとの互換性を調査したうえで、変換ツールを作製して円滑な互換性を確立し、海外の保健医療データと国内の当該データを直接比較できる環境を構築することを目的としている。具体的には、手術・処置行為・検査・入院等8735コードから成るレセ電コードのうち、研究者の専門領域周辺の整形外科、救急医療、リハビリテーション、在宅医療、神経・精神医療などの1813コードについてICHIへの対応表を作製する。また、そのマッピングプロセスと指摘し得る問題点を公表することにより残る領域の変換を医療と公衆衛生分野に啓発するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究のパイロットスタディとして行った研究(日本整形外科学会手術データベースJOANRとICHIとの変換)の中で、①人工関節、脊椎手術、関節鏡手術の149術式のレセコードからICHIコードへの変換可能率は、ICHI単独では43.6%であるが、ICDと連携することにより80.5%に上昇すること、②関節鏡手術に関するレセ電コードの22項目についてICHIコードが未開発であることを報告した(2023年1月Journal of orhtopaedic science誌掲載)。さらに、これを認知したWHO事務局が日本のレセ電コードに合わせた形で関節鏡手術コード22項目に対応するICHIコードの新規増設したことにより、JONARデータベースの当該領域は95.1%のICHI変換可能となった。これらの経緯から、実用価値のあるICHI変換ツールの開発には、ICD、ICFの関連分類も含めた精緻な研究が必須であること、また、その結果をもって、日本の実情に合わせたICHIコードの増設を得る可能性、が認識された。
2023年5月に開催されたWHO国際分類会議(シドニー)においても、WHOの定めたマッピング方法の遵守、関連する国際分類であるICD,ICF、ICHIとの連携の構築(harmonization)が強調されたのを確認したところである。
すなわち、国内分類のICHI単体への変換を検討する当初の研究工程に比して、やや幅広にICD,ICFを含めた精緻な分類体制の構築を検討することが要求されるため、やや時間を要している状況にある。
しかし、分析対象は増えるものの、最終的には実行に耐える変換ツールにより近づくものと考えられる。

今後の研究の推進方策

本年度以降は、整形外科領域、救急領域、在宅領域、神経精神領域に加えて歯科領域について、国内レセ電コードからのICHIへマッピング作業を進める。関係学会で進捗と成果を発表して意見交換を行ったうえで、各領域の国際誌への投稿の準備を進めて、研究結果の共有を図る。具体的には、救急領域において、救急診療指針改訂5版(へるす出版)に記載されている救急専門医資格認定時に必須とされる救急処置と、医療行為別統計に発表される医療行為の頻度の高い行為のうち救急領域に親和性の強い処置として抽出しされた項目とについて、WHOのマッピングプロセスに準拠した形でマッピング作業を行う。整形外科領域においては、医科診療点数表に手術コード(Kコード)と併記する形で掲載されている外保連試案(ステム7コード)とICHIとのマッピングも進める予定である。これらのマッピング作業は、当該専門領域に精通した専門医や診療情報管理士によって行うが、各対応コードの候補を挙げていく段階では、Google Form等の手段を用いてアンケート調査を行い、各方面からの意見をひろく吸収して吟味し反映していく予定である。
また、分類用語(Foundation)を共有する国際分類ICD、ICFについても国内の使用状況を把握して、精緻化の啓発を進めつつ、ICHIとの協調利用の手順を示す研究も並行して行ってまいりたい。
更に、昨年度同様にWHOの国際分類会議に出席し、ICHIをめぐる国際動向を察知して、作製しつつある国内の変換表が国際間利用に耐える内容であるためにアップデートしていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Deaths caused by osteoporotic fractures in Japan: An epidemiological study2023

    • 著者名/発表者名
      Abe Koki、Inage Kazuhide、Yoshimura Kensuke、Sato Daisuke、Yamashita Keishi、Yamashita Masaomi、Sasaki Toshihide、Yamaoka Akiyoshi、Shiga Yasuhiro、Eguchi Yawara、Orita Sumihisa、Ohtori Seiji
    • 雑誌名

      Journal of Orthopaedic Science

      巻: - 号: 6 ページ: 1477-1482

    • DOI

      10.1016/j.jos.2023.10.013

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] JOANRから国際医療保健行為分類 ICHIへのマッピング~データヘルス計画 に備えて~2023

    • 著者名/発表者名
      阿部幸喜 山下桂志 山下正臣 佐々木俊秀  山岡昭義  志賀康浩 牧聡 稲毛一秀  江口和 折田純久 大鳥精司
    • 学会等名
      第20回整形外科痛みを語る会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Mapping作業の効用~ICHIとJOANRのMappingより~2023

    • 著者名/発表者名
      阿部幸喜
    • 学会等名
      第49回日本診療情報管理学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 骨粗鬆症脆弱性骨折に起因する死亡者数の再評価 ―臨床を反映した死亡診断書記載の重要性―2023

    • 著者名/発表者名
      阿部 幸喜,稲毛 一秀,山下 正臣 ,山下 桂志,佐々木 俊秀,山岡 昭義,鈴木 徳孝,志賀 康浩,江口  和,折田 純久,大鳥 精司
    • 学会等名
      第96回日本整形外科学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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