研究課題/領域番号 |
23K16261
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
田辺 寛 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40814306)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | AI / 手術映像解析 / コーチング / 映像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
外科修練医には多くの手術手技の習得が求められており,その達成には効果的な手術指導の普及が必要である.外科コーチングは近年注目されている指導法で,修練医のニーズから目標設定し,修練医主導で手術パフォーマンスの向上を目指すものである.本研究では「手術指導に外科コーチングを導入することで修練医の手術パフォーマンスが向上する」という仮説を立てた.具体的にはAI(artificial intelligence)を用いた映像解析とヒトによる評価を融合した上で手術手技の定量化を行い,手術指導が手術パフォーマンスに与える影響を解析する.最終的に様々な施設に応じた手術指導の普及につなげることを目的としている.
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研究実績の概要 |
開腹手術から腹腔鏡手術,ロボット支援下手術へと手術技術の発展により外科修練医にはより複雑で高度な手術の実施が求められている.また外科医不足も深刻さを増している.そのために,より効率的で効果的な手術指導法の確立が望まれている.本研究の目的は,指導医の手術指導の評価と修練医の手術パフォーマンスの評価を通して,外科コーチングのモデルを形成することである.手術指導の評価は術中音声からコーチング行動の分類を行い,術中コーチングが手術手技に及ぼす影響を評価する.手術手技の評価はヒトによる評価とAIによる映像解析を用いて行う.ヒトによるテクニカルスキルの評価はobjective structured assessment of technical skill(OSATS)を用いて行う.また映像と音声からノンテクニカルスキルの評価も行う.AIによる映像解析のために二つの研究を行う.一つ目はAIによる対象物の検出,動きの測定を行うことで手術手技の特徴を見出す.二つ目は行動ラベルをディープラーニングさせることで手術映像の時系列行動セグメンテーションを行う.これらのAIによる映像解析を統合し,ヒトによる手術手技の評価と推論の根拠を説明可能な勾配ブースティング等の手法を用いて融合させる.手術手技の定量化が可能となれば,術中コーチングによる手術手技の影響をコーチングワークショップで話し合い,指導医に調査を行い,Delphi法を用いて,施設における外科コーチングコンピテンシーモデルの構築を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
手技の定量化を目指し,鹿児島大学理工学研究科との共同研究を行っている.手術映像のAIによる解析を2つの手法で取り組んでいる.一つ目はラベル付けした映像をAIにDeep learningさせ,新規映像をAIに読み込ませ,行動を分析すること,二つ目は映像内の鉗子の速度,加速度,加加速度を計算し,動作の特徴を分析することに取り組んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
コーチングの研究は手術室の新規機器導入の検討中で手術映像と併せた録音ができていない状況である.録音が可能になり次第,手術映像による手技の評価と併せて手術中のコーチングの評価を行っていく.
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