研究課題/領域番号 |
23K16270
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
庄司 雅紀 大阪医科薬科大学, 薬学部, 助教 (50782603)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 知的能力障害 / 発達障害 / 医療情報提供 / 医療コミュニケーション / 合理的配慮 / 調整行動 / 服薬指導 / 言語調整 |
研究開始時の研究の概要 |
知的能力障害(ID)を伴う患者は知的・適応機能の欠陥を含む障害を来すことが知られているため、医療従事者は当該患者とのコミュニケーションにおいて、「わかりやすさ」への意識及び相手の理解への配慮、いわゆる合理的配慮が求められる。しかし、患者の正しい理解や心情把握が特に求められる医療情報提供において、合理的配慮に関する研究の進展は限定的である。そこで本研究では、軽・中等度IDを伴う患者を対象として、服薬に関する情報提供に際して求められる合理的配慮の在り方について実態把握および課題抽出を行い、教育プログラムの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、医療従事者の知的能力障害者に対する合理的配慮に基づく医療情報提供の実態把握および課題抽出を目的として、医師・薬剤師および知的能力障害を有する患者に対して、半構造化インタビューを実施した。インタビューはZoomを用いたオンラインあるいは対面にて行い、いずれも30分~60分程度で実施した。本年度は、医師9名、薬剤師11名、および患者1名に対してインタビューを行うことができた。 本調査対象となった医師らは、患者自身の希望や、副作用などを忌避した結果としての「治療方法の選択の制限」を感じつつも、「治療方針のすり合わせ」を患者らと粘り強く実施している実態が示された。一方、薬剤師らは、患者応対時に平易な言葉を用いることや絵や記号で伝えるといった「理解の補助」や、ラインマーカーや色彩の活用により「注意を促す」ことや、「一包化」などの配慮を服薬指導時に実施していた。いずれの職種においても、発達・知的障害患者への応対については大学・卒後ともに教育を受けた経験はなく、現場での経験に依っていることが示された。さらに、知的・発達障害者のために特別に用意された指導用資料なども十分に流通していないことが述べられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医師・薬剤師に対しては、ほぼ予定通りの人数に対してインタビューを実施することが出来た。次年度以降は患者へのインタビューを中心に実施していく。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に得られたデータの解析をすすめ、知的・発達障害者への医療情報提供に関する医療従事者に対する教育資材等の開発を目指す。
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