研究課題/領域番号 |
23K16275
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡田 宏基 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (20908545)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 統合失調症 / 躁うつ病 / 精神症状 / 自動車運転 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の道路交通法において、免許の拒否又は保留の事由となる精神疾患とは統合失調症と躁うつ病を指す。しかし、道交法には一体どのような症状がどの程度ある場合に欠格事由に該当するのか明確な基準は示されておらず、各疾患の症状特性が実世界の運転行動・運転能力に与える影響については不明なままである。 本研究では、精神症状は経時的に変化するという特性を考慮した自動車運転能力評価法を開発し、その評価表を応用した運転支援システムを開発する。本研究は、一定の症状を自動で感知し危険を回避する先進運転支援システムの開発に貢献できる他、精神障害者の適切な社会参加に向けた自動車運転支援体制構築の一助につながると考える。
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研究実績の概要 |
現行の道路交通法(道交法)では、統合失調症と躁うつ病を欠格条項の対象とし、これらの疾患を持つ人々に対して運転免許を与えない場合がある。この取り決めには具体的な基準が示されておらず、症状の特性と運転能力への影響は不明確である。さらに、精神障害者の30%以上が運転を自主的に諦めており、適切な運転能力評価と支援方法の開発が求められている。対照的に、脳血管障害者に対しては客観的な運転能力評価が進んでいるが、精神疾患に対してはそのような評価方法が確立されていない。その理由の一つとして、精神症状は経時的に変化するため、一時点の評価では実際の運転能力を正確に反映できないことに起因することが考えられる。本研究は、統合失調症および躁うつ病の症状の経時的変化を考慮し、実世界での運転能力を客観的に評価する方法の開発を目指す。
現在、統合失調症者に対して、ドライブレコーダーを使用して対象者の実際の運転状況と精神症状との関連を縦断的に検討している。まずは、予備的な調査として、3ヶ月分のデータを取得し、分析を実施している。今後、この予備的なデータを分析し、本研究で使用する運転能力に関する項目の抽出を行う。特に、ドライブレコーダーで得られるデータは膨大であるため、どの項目が最も精神症状と関連を反映しているのかを検討する。その上で、今年度以降、本研究を実施する予定である。なお、本研究の実施期間は1年間を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力施設との協議も順調に進展しており、必要な予備調査も終了しつつある。今年度以降、本研究に移行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、研究協力施設と研究遂行に関わる協議を行っている。また、現在、予備データ分析を完了し、課題を抽出する。本年度以降当面の目標を対象者数統合失調症者20名、躁うつ病者20名とし、1年間の縦断的なデータを収集する予定である。予備データについては、国内もしくは国際学会で発表をすることを目指し、より良い研究の実施を目指す。本研究は、精神障害者の運転能力評価に関する新たな知見を提供し、社会的な認識の改善や支援策の開発に貢献することを目指す。
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