研究課題/領域番号 |
23K16277
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
城戸 崇裕 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (90868621)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 医療的ケア児 / 死亡個票 / 人口動態統計 / 死因 / 終末期 / アドバンスケアプランニング / ビッグデータ / レセプト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、医療的ケア児の生涯、とくに終末期に至る部分までの医療の利用状況を可視化する。
研究課題3にて、医療的ケア児となってからの医療(入院、救急医療)などの医療資源の利用状況を記述する。 研究課題2にて、医療的ケア児の終末期の医療の利用状況(入院、集中治療など)を明らかにする。 研究課題1にて、医療的ケア児の死亡の状況(年齢、死因など)を明らかにする。 いずれも現実的に可能な範囲で大規模なデータを使用し、全数調査に近づけることを意図する。課題1-3を通じて、社会全体に対して医療的ケア児の生涯の対する理解を醸成する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、課題を3つ設定している。 1. JMDCデータを用いた、医療的ケア児の初回退院後の経過解析 2. DPCデータを用いた、医療的ケア児の終末期に投入される医療に関する分析 3. 死亡個票データを用いた、基礎疾患を有する児の解析 研究開始から、各所へのデータ利用に関する申請の書面準備などを開始した。このうち死亡個票の解析について、所管である厚生労働省担当官より、本格的なデータ申請の前に、単年度分のデータを運用し、解析プログラムの構築を先に行う提案があったため、これを今年度は中心に行った。令和3年度の国内のすべての死亡診断書1,452,296件のデータについて、固定長テキストデータの形式でご提供いただいた、データの読み込み後、フリー入力のテキスト形式で入力されていた"死因"(ア)~(エ)に記載された疾患名および、Ⅱ"併存疾患"と、各原因疾患の罹患期間についてデータクリーニングを開始した。非常に不規則な入力パターンが多くデータクリーニングに難渋しているが、試みに下記のデータ抽出を行った。 ①小児期(18歳未満)発症の慢性疾患の記載がある患者:本研究は慢性疾患の経過に興味があるため、罹患期間が年単位以上である疾患名を抽出し、このうち発症時期が18歳未満であるものについて、”小児期発症の慢性疾患”と定義した。小児期発症の慢性疾患は、3,543名に記載があった。小児期発症の慢性疾患の有無で比較すると、死亡時年齢の中央値は、無:85.1歳 (IQR 76.2-91.3)、有:50.4歳 (IQR 23.5-68.6)であった。小児期発症の慢性疾患を有すると、死亡時期が早まる可能性が示唆される。これまで国内では、死亡個票内の原死因以外の複数病名や罹病期間を結び付けて解析を行った事例はなく、先駆的な成果である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
課題3のために手続きを開始した死亡個票データに記載されている病名および罹病期間のデータは、当初の予想よりもバリエーションに富んだ記載内容となっており、データクリーニングに非常に時間と手間を要している。今後、年度数を増やすことを鑑みても、AIを導入するなど効率的な対応方法を考える必要性に直面している。 また課題2については、DPCデータの使用許可が東京大学より得られていない。
|
今後の研究の推進方策 |
積極的に進めている課題3についても、未だ単年度データの解析であり、データクリーニングも不十分であるため、さらに精度を高め、複数年度のデータを入手、解析を続けたい。 他の課題についてのデータ申請も並行して行う方針である。
|