研究課題/領域番号 |
23K16285
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
柿内 聡志 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40794516)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 抗菌薬適正使用 / 薬剤耐性菌 / 経口抗菌薬 / 外来抗菌薬使用モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
外来経口抗菌薬の不適切使用は、自施設の経口抗菌薬の適正使用の評価が困難であり、改善すべき点が分かりにくいことから、効果的な介入が難しい領域である。また、外来経口抗菌薬の使用量削減がもたらす地域医療圏における耐性菌抑制への効果も不明である。 本研究では、長崎県内6地域の各医療機関の外来経口抗菌薬処方量を全国・地域内処方量と比較し、また耐性菌分離頻度も報告するシステムを新たに作成し、耐性菌分離頻度に関連した外来経口抗菌薬使用量削減への介入を各施設特異的に行うことで実際の抗菌薬使用量が減少するか、また、その結果、地域医療圏の耐性菌分離率を低下させるかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題の概要は、外来経口抗菌薬の処方状況の把握と耐性菌モニタリングを行うことが可能なシステムの開発である。本研究の準備を進めていく過程の中で、病院における抗菌薬使用状況と耐性菌分離状況を評価していたが、現在行われている全国的な抗菌薬使用量サーベイランスに長崎県内で参加している施設は長崎県内の全病院の約3割にとどまっていることが判明した。入院患者の耐性菌分離状況を取得することは、入院由来の耐性菌分離状況と外来患者の耐性菌分離状況を比較しその影響を評価していくため重要な項目となる。そのため、長崎県内で全国サーベイランスに非参加の施設における抗菌薬使用量と耐性菌分離状況を収集する方針とした。研究方法として、全国サーベイランスに非参加の施設では、その多くが外部の検査委託業者に細菌培養を依頼していることに着目した。全国サーベイランス非参加施設の同意を取得した後で、検査委託業者から細菌培養結果に関する情報(検体種別、菌種、薬剤感受性)を取得することとした。また各施設から、抗菌薬使用状況について、抗菌薬名、Days of therapy(DOT)で使用内容を収集する。収集した抗菌薬使用内容は、DOTによる解析と、DOTをベースとして抗菌スペクトラムを客観的に評価可能なDays of Antibiotic Spectrum Coverage(DASC)を用いて解析をし、広域スペクトラム使用の状況と耐性菌分離率の関連性を探る方針とした。本研究計画は、長崎大学病院 臨床研究倫理委員会に提出し承認された(その後書式等の微修正があったため再申請している)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の主なターゲットは医院・クリニックにおける外来経口抗菌薬処方と耐性菌分離率であるが、全国サーベイランスで評価できていない、長崎県内の病院における抗菌薬使用状況・耐性菌分離状況の情報を収集し、それらの結果を踏まえて医院・クリニックの抗菌薬使用や耐性菌分離状況を評価する方がより深い理解に繋がり、結果として長崎県全体の抗菌薬使用・耐性菌分離の抑制につながると考えられた。現在は全国サーベイランス非参加施設における抗菌薬使用状況や耐性菌分離状況の収集を行っているため、研究の進捗としてはやや遅れているという判断とした。
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今後の研究の推進方策 |
全国サーベイランス非参加施設の情報を収集し解析を行う。全国サーベイランスの結果と合わせ、長崎県内の病院における抗菌薬使用状況と耐性菌分離状況のデータを把握する。解析結果は各施設にフィードバックし、各施設において今後の抗菌薬適正使用に役立ててもらう。その次に、医院・クリニックにおける抗菌薬使用情報を収集し、また耐性菌分離率についても情報を収集・解析を行う。耐性菌分離状況は、先に行っている全国サーベイランス非参加施設の際にも採用した、検査外部委託業者の情報を収集する予定で、医院・クリニックの負担軽減を目指す。また結果については全国の処方情報と比較を行い、各施設の抗菌薬使用状況について客観的な評価を行う。解析結果は各施設にフィードバックし、抗菌薬適正使用に役立ててもらう。
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