研究課題/領域番号 |
23K16298
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
射場 在紗 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国際医療協力局, グローバルヘルス政策研究センター 上級研究員 (30972971)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 外来医療機能 / 選定療養費 / 地域医療へのアクセス / レセプトデータ / 外来機能分化 / かかりつけ医機能 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の医療制度ではフリーアクセスが認められているが、近年、比較的軽症の患者が大病 院の外来を受診する傾向の高まりが指摘されている。外来医療の機能分化およびかかりつけ医機能の強化を目的として、選定療養費等が導入されているが、これらの効果を検討した報告はない。本研究では、レセプトデータを用いて、選定療養費等導入後の長期的な経過、影響を受けた患者の属性、診療アウトカムを評価する。
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研究実績の概要 |
本研究では2016年4月の診療報酬改定以降、選定療養費の徴収義務化の対象病院が拡大したことによる医療提供およびアウトカムへの影響を検討している。 アウトカムの1つの指標として、外来医療による効果的な介入で入院を回避できる疾患群(Ambulatory care sensitive conditions; ACSC)が利用可能か検討した。ACSCは諸外国では地域医療へのアクセスや質の指標として用いられている指標であり、日本においてACSCが指標として利用可能であるかを評価するため、地域医療へのアクセスと関連する要因を探索的に検討した。 一自治体の国民健康保険レセプトデータを使用し、ACSCによる入院と、個人レベルの要因・地域レベルの要因との関連についてマルチレベルポアソン回帰モデルで分析した。その結果、個人レベルの要因では男性、高齢、併存疾患あり、低所得と、ACSC入院率の増加に関連がみられた。また、地域レベルの要因では、最寄の内科クリニックまでの距離が長くなるほどACSCによる入院率が増加する関連がみられ、特に女性や高齢者でその傾向が強いことが明らかになった。 本研究結果から、ACSCは地域医療へのアクセスを反映する要因と関連することが示唆され、地域医療のアクセスや質の評価指標としての利用可能性が示された。本研究結果は国際誌に掲載された(SSM - Population Health, 25 101565-101565, Mar, 2024) また、都道府県レベルの国民健康保険レセプトデータを用い、選定療養費の徴収義務化前後の初診患者における紹介率の変化をinterrupted time-series analysisを用いて分析し、主要な結果が得られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で予定していた選定療養費によるアウトカムへの影響を評価するための指標として、ACSCによる入院を使用できる可能性を評価し、論文が掲載された。 また、1年目の研究として予定していた選定療養費義務化前後の紹介率の変化についての分析も概ね順調に進められている。
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今後の研究の推進方策 |
選定療養費義務化前後の紹介率の変化についての論文を作成する。また、選定療養費徴収義務化によるアウトカムへの影響についての分析を行う予定である。
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