研究課題/領域番号 |
23K16300
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所) |
研究代表者 |
渡邉 要 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所がん予防・情報学部(遺伝診療科), 研究員 (20972433)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 受療遅延 / 悪性腫瘍 / 共分散構造分析 / 統計モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
初年度となる2023年度は、一般集団を対象とした研究において、第1四半期にシナ リオを作成し、調査票を確定、第2四半期より調査実施と集計、第3四半期から4四半期において統計解析を完了し、結果を確定する。これを用いて患者対象研究の調査項目を確定するとともに、 この間、患者リクルートのための医療機関との調整を実施する。 2024年度は、一般集団を対象とした研究結果を踏まえ、第2四半期から第4四半期にかけて調査を実施する。必要な症例数に達しない場合には、2025年度への延長も考慮する。2025年度は主に統計解析の実施、まとめと公表準備を行う。
|
研究実績の概要 |
ある疾患の症状の自覚から初診までの期間が適切な範囲を超えて延長することを受診遅延 といい、がん患者においては症状の重篤化や生存率の低下をもたらす重大な問題である。受診遅延の原因とメカニズムについては、多くの質的調査から、罹患した腫瘍の種類によって異なる特性や、社会環境、罹患者自身の信念、医療到達性(医療を受けることの容易さ)、リテラシーといった関連要因が抽出されているが、定量的な評価が十分に行われておらず、各要因の影響の強さや要因同士の関連はよくわかっていない。このため、受診遅延に対する介入において優先的に対処すべき要因がわからないことが課題となっている。 本研究では、がん患者及び一般人に対する質問紙や診療簿(カルテ)調査を行い、共分散構造分析という統計手法を用いて受診遅延と罹患者の背景にある要因との関連、および要因間の構造を明らかにするとともに、結果を相互参照することにより、統計モデルの整合性を検証する。これにより、客観的データに基づいた 今後の介入指針策定のための知見が得られることが期待される。 本研究は、がんによる症状の出現から受診までの一連の仮想経過と、それに対する意思決定プロセスを評価する一般集団に対する調査と、実際のがん患者集団での同様の経過を評価する調査の2つから成る。実際に受療遅延に至った者と、一般集団での受療遅延リスクにつながる要因を相互に比較することで、一般集団における高リスク者の推定や、特に介入が望ましい集団の同定につなげることができ、症状に気づいていながらも医療機関の受診に繋がらない受療遅延の問題に対する有益な知見を得ることが期待される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度は、がん発症における典型的な警告症状を含む経過の仮想シナリオを作成した。また、研究計画を整備し、一般集団に対するシナリオを用いた手法によるwebアンケート調査を予定していた。しかし、手法の信頼性および妥当性についてvalidationをとる必要性が指摘され、予備的調査の実施が検討された。そのための準備に期間を要したため、予定していた同調査を実施することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、上期に当初より予定のがん患者集団に対する調査のための施設事前調整および実施準備を実施しつつ、令和5年度に実施予定だった一般集団に対するwebアンケート調査を実施する。その後、がん患者集団に対する調査を下期より実施する。
|