研究課題/領域番号 |
23K16307
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
|
研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
高嶋 信吾 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (80878439)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 好酸球性食道炎 / アルコール |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球性食道炎とは、食物や空気中に含まれる物質が抗原となって食道の消化管粘膜上皮に好酸球炎症と機能異常を起こす慢性アレルギー性疾患である。申請者は好酸球性食道炎の発症リスクがアルコールであることを臨床研究で見出したため、好酸球性食道炎のアレルギー炎症をアルコールが促進しているとの仮説を検証する目的で臨床的・基礎的検討を行う。 またアルコールを介した肝臓からの刺激が好酸球性食道炎の再燃に影響しているという仮説を検証する目的で臨床的・基礎的検討を行う。アルコールと好酸球性食道炎の関連を探索することで食道‐肝相関の新規経路解明および肝臓を標的とした好酸球性食道炎のさらなる病態解明の礎となる。
|
研究実績の概要 |
本研究では、好酸球食道炎(EoE)の発症、増悪に飲酒が影響を与えているかを明らかにすることを目標としている。また、飲酒や肝機能障害が、EoEに影響をあたえているのであれば、どのように肝臓-食道連携が行われているかを明らかにすることを目的としている。本年は、まず当院受診者での、EoEと肝機能障害の関係の検討を行った。 当院でおこなった内視鏡で、EoEと診断された患者を対象に、EoEの発症リスクがどうなっているのかを検討し、とくに肝臓機能に影響する因子がEoEのリスク因子となっているかについて検討した。 結果としては、2015年4月1日~2023年3月31日のうち、大阪公立大学医学部附属病院人間ドック施設Medcity21で発見されたEoE患者139名と、同期間中の人間ドック受診者からEoE群と年齢・性別を合わせて1対1の割合で無作為に抽出した対照群139名を対象とした解析を行ったところ、単変量解析では、食道症状、飲酒歴、アレルギー歴、BMI≧25がEoEの危険因子であることがあきらかとなった。多変量解析によっても、食道症状、飲酒歴、アレルギー歴がEoEの発症の有意な危険因子であることが明らかとなった。また、少人数のフォローアップ研究では、EoEの発症には飲酒がリスク因子であるが、EoEの再燃に関して飲酒そのものは大きな影響を及ぼしておらず、飲酒による肝障害が影響していると考えられるという結論が得られた。 この結果をもとに、本検討で用いた症例について、保存してある血清がある症例についてはELISAなどの検討を追加するように準備中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト検体のELISAによる解析については、検体収集がおわってから行うことに変更し、現在は検体収集中である。また、好酸球性疾患の集積について、予定よりも新規症例がすくなく、集積が予定よりも遅延している。
|
今後の研究の推進方策 |
臨床的な好酸球食道炎の危険因子について、データを集積しながら明らかにする検討は継続する。またそれに加えて、集まった血清を用いた好酸球性食道炎の危険因子の検討については、ある一定数症例があつまりしだい解析をおこなって行く予定である。
|