研究課題/領域番号 |
23K16329
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松本 尚美 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (90882861)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではビッグデータやリアルワールドデータを用い、次の2つの目的を達成する。
1.近代化と共に有病率が上昇しているアレルギー疾患や発達障害、成人の生活習慣病につながる思春期肥満などの小児慢性疾患に着目し、小児の健康に寄与する社会・環境要因を、厚生労働省「21世紀出生児縦断調査」などの大規模縦断調査を用いて検証する。
2.新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは数年にわたる社会的距離の推奨など子ども達の成育環境に大きな変化をもたらした。この変化が小児慢性疾患の発症や活動性の変化に与えた影響を、リアルワールドデータを用いて検証する。
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研究実績の概要 |
COVID-19パンデミックが小児の慢性疾患発症に与えた影響についての知見はまだ不十分であった。そこで全国規模の電子カルテデータを用いた研究を行い、COVID-19パンデミックと思春期の精神疾患発症についての論文1編を上梓した。この研究では、パンデミックによる全国一斉休校や社会的距離の持続が子ども達の精神に与えた影響について、年齢別、性別に描出し、今後の児童思春期精神科臨床や政策への示唆を見出すことができた。 COVID-19パンデミックに伴う感染症減少や社会的距離の持続は他の小児慢性疾患発症にも影響したと推察される。そこで、今後NDBデータを用いて対象疾患を広げ、新型コロナウイルス感染症の5類以降も考慮して、さらなる長期的な経過を解析する予定としており、目下データ申請準備中である。 また、厚生労働省の21世紀出生児縦断調査と日本産婦人科学会の周産期データベースをリンクさせ、周産期の曝露(帝王切開や体外受精による出生)が児の長期予後(未就学期の入院リスクやアレルギー疾患罹患リスク、小児期の発達)に影響するかどうかを検証した。これらのトピックスについては一般及び臨床医からの関心が高いにも関わらず、これまで検証が不十分であった。既報にないアプローチで、早産を媒介因子として本邦の大規模データを用いて行った当該研究結果は、社会的に大きな意義を持つ。本テーマについては論文2編を投稿中である。更に論文1編についても投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1年目で論文1編を出版、2編を投稿することができ、ひきつづき関連研究仮説を解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
厚生労働省の21世紀出生児縦断調査を用い、社会格差が子どもの健康に与える影響について解析中である。また、これまでの研究をさらに発展させ、NDBデータを用いることでより希少な疾患への感染症の影響なども検証を予定している。
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