研究課題/領域番号 |
23K16351
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西村 志織 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60868553)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 潜在クラス分析 / 薬剤アドヒアランス / データベース研究 / 薬剤疫学 / 循環器病 / クラスタリング |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病や高血圧、脂質代謝異常などの慢性疾患は心血管病の大きなリスク因子であり、適切な薬物治療を継続することによって心血管イベント発症を抑制することが重要な課題である。これまで、大規模なリアルワールドデータを用いて薬剤の処方と心血管イベントの発症との関連を評価した研究は多数あるが、薬剤アドヒアランスの経時的な変化も含めた研究報告は不足している。本研究では、診療報酬請求データを用いて、心血管イベントの危険因子となる慢性疾患治療薬の(1)経時的なアドヒアランスの類型化とそれを特徴づける因子の同定、(2)アドヒアランスパターンと心血管イベントの関連を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、診療報酬請求データを用いて、心血管イベントの危険因子となる慢性疾患治療薬の(1)経時的なアドヒアランスの類型化とそれを特徴づける因子の同定、(2)アドヒアランスパターンと心血管イベントの関連を明らかにすることを目的とする。 健康保険組合・国民健康保険・後期高齢者医療制度のレセプトデータから、心不全患者のアドヒアランストラジェクトリと心血管イベントとの関連を明らかにすることを具体的な目的とし、今年度は最新のアドヒアランストラジェクトリ同定方法やトラジェクトリとアウトカムとの関連の評価方法に関する議論と、データの収集、対象者の抽出を行なった。現時点で約30万人の心不全入院症例を抽出することができた。退院時処方はベータ遮断薬、ACE阻害薬/ARB/ARNI、SGLT2阻害薬の順に多いことを確認した。アドヒアランスのトラジェクトリ同定方法の議論の中で、EMアルゴリズムを用いた混合効果モデルを使用することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データの収集、抽出に時間を要しているが、その他の点は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
議論の中で、アドヒアランストラジェクトリと従来の対象期間中の処方日数の割合を算出する方法とでは、アドヒアランストラジェクトリが心血管イベントを予測する能力(c統計量)が大幅に改善するものではないという指摘もあり、今後心不全の至適治療患者におけるアドヒアランスとアウトカムとの検討の際に従来のアドヒアランス指標とアドヒアランストラジェクトリの間でどの程度心血管イベントの予測能力に違いがあるかの確認を行なって行く予定である。
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