研究課題/領域番号 |
23K16361
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
柴田 幹子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (10802829)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 腎生検 / 慢性腎臓病 |
研究開始時の研究の概要 |
透析患者数は年々増加しており、透析導入疾患第3位である慢性糸球体腎炎の進行に関わる因子の検討や治療法の確立が急務である。慢性糸球体腎炎の確定診断には腎生検組織診断が必須であり、治療方針決定に重要である。しかし組織所見には、確定診断には関係しない加齢等による変化も併存しており、これらを含めた評価は十分ではない。本研究は、単一施設において3,000例超の腎生検患者の登録時データを整備して横断的検討を行い、さらに最長25年超の追跡データを入力する。個々の疾患毎の解析と全症例データの解析について、両方とも行う事が出来るデータベースを構築する。
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研究実績の概要 |
透析や腎移植を必要とする末期腎不全患者は世界中で増加傾向であり、わが国における維持透析患者数も増加の一途をたどっている。2022年における透析導入患者の原疾患で最も多いのは糖尿病性腎症で38.7%、次いで腎硬化症の18.7%、慢性糸球体腎炎の14.0%であり、腎硬化症が2019年に慢性糸球体腎炎に代わって第2位となって以降も、腎硬化症の持続的な増加が目立っている。慢性糸球体腎炎の確定診断には腎生検組織診断が必須であり、頻度の高いIgA腎症の他、膜性腎症、血管炎など多岐にわたる診断は、治療方針決定に重要である。しかし組織所見には、加齢や動脈硬化等による疾患非特異的な変化も併存しており、包括的な評価は十分になされていない。本研究は、単一施設において3,000例超かつ最長25年超フォローの腎生検データベースを構築し、個々の原因疾患における腎予後や治療効果に影響する因子について検討する上に、全腎生検症例のデータを用いて疾患非特異的な組織変化と腎予後の関係についても、疾患横断的に検討を加えることを目的としている。 2023年度は、大阪市立総合医療センターで腎生検を行った全腎生検症例を対象とするコホートを立ち上げ、腎生検組織所見を含めたベースラインデータおよびフォローアップデータを整備するために、まずは全疾患に共通して入力するべきベースライン項目、フォローアップ項目の列挙を行った。また、疾患ごとに合併しやすい身体症状、特徴的な血液検査所見、尿検査所見等がある場合はそれらを疾患ごとに列挙した。病理所見についても、疾患ごとに注目すべき所見を列挙するとともに、疾患横断的にデータベースを構築するために糸球体、尿細管間質、血管について、項目毎にどのように定量的に評価していくかを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度には、大阪市立総合医療センター腎臓・高血圧内科へ出向いてデータ入力を開始する予定であったが、全疾患に共通して入力するべきベースライン項目およびフォローアップ項目の列挙、疾患ごとに合併しやすい身体症状、特徴的な血液検査所見、尿検査所見等の列挙、評価すべき腎病理所見の列挙、糸球体、尿細管間質、血管について、項目毎にどのように定量的に評価していくか、等の検討に時間を要したため、入力を開始するには至らなかった。しかし、一つずつ項目を吟味し、2024年度にはベースラインデータの入力作業を開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、大阪市立総合医療センターへ出向いての入力作業を開始するために、入力項目の詳細な検討を行い、入力シートを整える。各疾患のベースラインデータについて、臨床所見、病理学的所見、治療内容等を含め、大阪市立総合医療センターへ出向いて入力作業を行う。まずは、前向きコホート研究として行われている2017年10月3日以降に腎生検を行った患者についての入力を行い、前向きコホート研究のデータベースを完成させることを目標とする。
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