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難治性で症状緩和が困難な特発性肺線維症療養者の尊厳に着目した緩和ケアモデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K16423
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分58060:臨床看護学関連
研究機関聖路加国際大学

研究代表者

猪飼 やす子  聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (10862013)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード特発性肺線維症 / 間質性肺疾患 / コミュニケーション / 対話 / 緩和ケア / 尊厳
研究開始時の研究の概要

特発性肺線維症では早期からの緩和ケアが生活の質向上に寄与するとされているが、療養者が医療者との病状説明や予後、生活に関する対話およびコミュニケーションに望んでいることはよくわかっていない。そこで、特発性肺線維症療養者が医療者との病状説明や予後、生活に関する対話およびコミュニケーションに望むことについて、療養者と医療者を対象に質問紙とインタビュー調査を行い、混合研究法の収斂デザインによりコミュニケーションの構成要素を明示し、Dignity-Centered Care(治癒困難な病いと生きる人の尊厳に着目した援助)による緩和ケアモデルを作成する。本研究は、早期緩和ケアを実装する支援の第一歩である。

研究実績の概要

1.医療現場における特発性肺線維症の病状や予後、生活に関する療養者と医療者とのコミュニケーションに関する文献検討
スコーピング・レビューを行い、10論文を採択した。コミュニケーションの重要性や悪性腫瘍療養者を対象に開発されたコミュニケーション・ツールの使用が提案され、疾患特有のコミュニケーションに関してはよくわかっていなかった。
2.特発性肺線維症療養者との病状や予後、生活に関するコミュニケーションに対する医療者の意識調査の実施
1.の結果からコミュニケーションの構成要素の検討を目的とし、呼吸器疾患看護・慢性呼吸器疾患看護認定看護師、慢性疾患看護専門看護師(サブスペシャリティ:呼吸器)、ならびに呼吸器内科専門医を対象に意識調査を実施した。2024年1月~3月に無記名自記式質問紙調査を依頼し、Webにて回答を求めた。調査内容は、(1)属性、(2)「がんの悪い知らせを伝えられる際の医療者とのコミュニケーションに対する患者の意向に関する質問票(Fujimori, et al., 2007)」70問、(3)自由記載、とし5件法で尋ねた。解析は次年度に実施する。
3.尊厳に着目した看護師育成プログラムの研究成果の学会発表、「特発性肺線維症で療養されている方々の尊厳に着目したケア(ディグニティ・センタード・ケア)」のコンテンツおよび療養サポートブックの公開
尊厳に着目した看護師育成プログラムの研究成果4演題の学会発表を行い、結果から療養者とのコミュニケーションに必要な要素を検討することができた。また、聖路加国際大学が運営する”市民と看護職をつなぐコミュニティサイト・看護ネット”に研究活動のコンテンツを提供し、療養サポートブック(療養者用・看護師用)をPDFで公開、ダウンロード可とした。加えて、間質性肺炎におけるアドバンス・ケア・プランニングの重要性をテーマとした教育講演の総説を執筆し公開された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、尊厳に着目した看護(ディグニティ・センタード・ケア)の研究活動に関するコンテンツを提供し、療養サポートブック日本語版(療養者用および看護師用)を世間一般に公開することができた。また、医療現場における特発性肺線維症の病状や予後に関する患者と医療者とのコミュニケーションに関する文献検討を実施し、この結果をもとに、呼吸器疾患看護・慢性呼吸器疾患看護認定看護師、慢性疾患看護専門看護師(サブスペシャリティ:呼吸器)、ならびに呼吸器内科専門医を対象に、特発性肺線維症の病状や予後、生活に関するコミュニケーションに対する医療者の意識調査を実施することができた。以上により、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

次年度は、特発性肺線維症療養者との病状や予後、生活に関するコミュニケーションに対する医療者の意識調査の調査結果の解析、ならびに特発性肺線維症の病状や予後、生活に関する医療者とのコミュニケーションに対する患者の意向調査を計画している。また、医療現場における特発性肺線維症の病状や予後に関する患者と医療者とのコミュニケーションに関する文献検討の研究成果、ならびに特発性肺線維症療養者との病状や予後、生活に関する医療者とのコミュニケーションに対する患者の意向調査の研究プロトコルについて、学会発表を予定している。
尊厳に着目した看護師育成プログラムの評価研究の結果に基づき、教材コンテンツの改訂作業と公開方法の検討を進めていく。特発性肺線維症をもつ生活者の尊厳に着目した看護師育成プログラムの研究成果については、論文を執筆し投稿する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 間質性肺炎におけるアドバンス・ケア・プランニングの重要性2024

    • 著者名/発表者名
      猪飼 やす子
    • 雑誌名

      日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌

      巻: 32 号: 2 ページ: 105-110

    • DOI

      10.15032/jsrcr.32.105

    • ISSN
      1881-7319, 2189-4760
    • 年月日
      2024-04-30
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 特発性肺線維症療養者の尊厳に着目した看護師育成プログラム研究プロトコール:層化ランダム化比較試験2023

    • 著者名/発表者名
      猪飼やす子
    • 学会等名
      第17回日本慢性看護学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 特発性肺線維症療養者の尊厳に着目した看護講座における教材コンテンツの適切性:混合研究法による検討2023

    • 著者名/発表者名
      猪飼やす子
    • 学会等名
      日本混合研究法学会第9回年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 呼吸器看護を専門とする看護師を対象とした特発性肺線維症療養者の尊厳に着目した看護師育成プログラムの効果:ランダム化比較試験2023

    • 著者名/発表者名
      猪飼やす子
    • 学会等名
      第33回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 特発性肺線維症療養者の尊厳に着目した看護師育成プログラムの開発と混合研究法による評価2023

    • 著者名/発表者名
      猪飼やす子
    • 学会等名
      第43回日本看護科学学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] みんなの呼吸器 Respica(レスピカ)2024年2号 <特集>ビジュアル! 呼吸困難のメカニズムとケア(第22巻2号)【慢性期(外来)】間質性肺炎患者の呼吸困難(寄り添うサポートの根拠が見える ビジュアル!呼吸困難のメカニズムとケア)2024

    • 著者名/発表者名
      猪飼やす子(担当:分担執筆)
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      メディカ出版
    • ISBN
      4840483639
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 聖路加国際大学運営看護ネット「身近な健康や生活に活かす!看護研究」

    • URL

      https://kango-net.luke.ac.jp/nursing/kenkyu/dignity-therapy.html

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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