研究課題/領域番号 |
23K16456
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川原 妙 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00877805)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 二分脊椎症 / 成人 / 健康関連QOL / 尺度開発 / 小児 |
研究開始時の研究の概要 |
二分脊椎症(SB)は様々な合併症を有するが、特に排尿・排便障害は日常での適切な管理が求められる。SB児者は成長とともに排泄の自己管理が可能とされるが、排泄管理の主体が養育者からSB児へと移行する時期の支援は乏しく、移行に伴う多くの困難に親子だけで臨まなければならない。しかし目標とする排泄管理の自立や移行の全体構造は示されておらず、移行の構造のもと排泄管理がSB児者に及ぼす影響は明らかにされていない。本研究の目的は、SB児者における排泄管理の自立の定義と移行の構造を示し、排泄自己管理がSB児のHRQOLに及ぼす影響を明らかにすることで、排泄管理の移行支援の重要性と体系的支援を提言することである。
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研究実績の概要 |
二分脊椎症(Spina Bifida: SB)は、出生直後の外科的介入が必要な急性期を過ぎると、膀胱直腸障害や下肢運動感覚障害といった合併症を抱えながら在宅で生活を送り、90%が成人期を迎えるようになった。本研究では、SB児者による膀胱・直腸障害の自己管理への移行と健康関連Quality of Life (HRQOL)の関連性を検討するうえで、次の研究を行った。 1)SB児者における排泄管理における課題の探索:MEDLINE,CHINAHL, PsycINFOを用いて、排泄障害・自己管理をキーワードとして文献検討を行った。その結果、排泄管理を要するSB者のうち約半数が自己管理が不十分であり、成人医療に対して定期的な受診を行わず、二次障害を呈することが課題として示された。この背景には、感覚障害による自己手技の制限や依存的な親子関係が、排泄自己管理の確立における障壁であることが明らかとなった。 2)SB児を養育する親のベネフィットファインディング(Benefit Finding: BF):BFとは、困難や苦難に直面した際にポジティブな視点を保ち、回復と成長を促進するコーピングの一種の概念である。SB児者のHRQOLや排泄管理は、親の協力や態度と密接に関連していることが明らかとなっており、SB児のHRQOLへの関連要因の一つとして検討を行うことを目的とした。本年度は、SB児の親のBFを測定する尺度開発の一環として、文献検討及び予備調査を行った。予備調査では9名のSB児の親が参加し、尺度の表面・内容妥当性の検証、およびBFの経験についてインタビューを行った。その結果、一部の日本語表現を修正することで表面・内容妥当性が確認され、BFの経験として「障害児者への理解やつながり」、「自己の受容性の向上」といったSB児の養育ならではの経験が語られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はSB児者の自己管理における課題と背景、および関連要因として親のBFの検討と尺度開発の予備調査を実施し、概ねスケジュール通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
調査フィールドに対して対象の選定と調査協力の承諾を得ており、次年度からはSB者の排泄自己管理の実態に対する定性的調査、およびSB児の親に対するBF尺度の本調査・関連要因の検討を実施する。
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