研究課題/領域番号 |
23K16460
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 柴田学園大学 |
研究代表者 |
萩臺 美紀 柴田学園大学, 生活創生学部, 講師 (80879784)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 不登校 / ひきこもり / 家族システム / コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
日本では、不登校やひきこもりといった青少年の非社会的行動が増加傾向にある。これらの問題は長期化する可能性があり、8050問題といった深刻な社会的問題につながる恐れがある。不登校・ひきこもりの長期化を予防するためには、父、母、本人の3者の相互作用から本人の行動を維持する家族コミュニケーションを明らかにし、変化を導入していくことが必要となるが、それらについて実証的な検討は行われていない。そこで、本研究では、①不登校・ひきこもり者と家族成員のコミュニケーションの相互作用と変容プロセス、②家族成員が行う解決に向けた家族コミュニケーション尺度の開発、③家族成員の解決行動の促進・阻害要因を明らかする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、不登校・ひきこもりの子どもとその家族の相互作用に着目し、不登校・ひきこもりの解決に効果的な家族成員のコミュニケーションを明らかにすることである。 当該年度は、不登校・ひきこもりの子を持つ保護者が子どもの問題を解決するためにどのような行動を行うかについて、また解決に至るプロセスについて明らかにすることを目的とした。当初の予定では、不登校・ひきこもりの子を抱える保護者に対するインタビュー調査を行う予定であったが、対象者の確保が困難であったため、調査方法を自由記述によるweb調査に変更した。子どもの不登校・ひきこもりを経験した保護者 66 名に対してweb 調査行い、親から不登校・ひきこもりの本人への関わりおよび片方の親への関わりに着目して、解決のためにどのような行動をしたのか明らかにした。 その結果、親から子どもへの関わりとして「受容的な関わり」「積極的な関わり」「受動的関わり」があることが示された。また、片方の親への関わりとして「夫婦での対応」「他方の親への頼み事」「片親での対応」があることが示された。 以上より、不登校・ひきこもりの子どもを持つ保護者の解決行動として、子どもとの関わりだけでなく、配偶者との情報共有や子どもへの関わり方の話合いを行っていることが示唆された。これまで夫婦のコミュニケーションの多さは、問題解決力や家族レジリエンスと関連することが示唆されている。このような知見と本研究の結果も踏まえると、不登校・ひきこもり問題においても、夫婦での話合いや情報共有が子どもの不登校・ひきこもりの解決にも関連しているのではないかと考えられる。そのため、今後は不登校・ひきこもりの当事者と親との関わりについて、夫婦間の相互作用に着目しどのようなコミュニケーションが不登校・ひきこもり問題の改善に有効かを明らかにする必要があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
不登校・ひきこもりの子を持つ保護者に対するweb調査を行い、結果についてKJ法を用いた分類を行った。分類の妥当性を高めるために、複数の専門家による客観的な視点が必要であったため、臨床心理学の専門家に依頼し分類結果を検討するという作業を繰り返した結果、分析に時間がかかった。その結果、量的調査を実施するための尺度作成まで進めることが困難となったため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまで実施した調査結果をもとに、不登校・ひきこもりの子どもを抱える保護者が解決に向けてどのような行動を行うかについて論文を作成する。さらに、子どもの不登校・ひきこもりの子を持つ保護者の解決行動尺度を作成し、信頼性と妥当性を検討する。すでに調査項目の作成・検討を行っているため、早急に調査を実施する予定である。その後、作成された尺度を用いて不登校・ひきこもりの保護者のどのような行動が不登校・ひきこもりの解決に有効であるかについて調査を実施する予定である。
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