研究課題/領域番号 |
23K16478
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
友岡 清秀 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (90804708)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 月経前症候群 / 東洋医学 / 証 / セルフケア / ランダム化比較試験 / セルフケアプログラム |
研究開始時の研究の概要 |
月経前症候群(Premenstrual syndrome: PMS)は女性の心身の健康やQOLに大きな影響を与えている。PMSの多様な心身の症状に対して、東洋医学が広く用いられているが、そのエビデンスは少ない。本研究では、就労女性を対象にPMSの東洋医学的病態の分布を疫学的に解明することで、東洋医学的アプローチによるセルフケアプログラムを開発する。また、ランダム化比較試験を用いてセルフケアプログラムによるPMSの症状緩和効果のみならず、多面的効果(心理的ストレス、QOL、日中のパフォーマンス、労働生産性)を検証することによって、女性のヘルスプロモーションの向上に資するエビデンスの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、就労女性における月経前症候群(Premenstrual syndrome: PMS)の東洋医学的な証の分布を明らかにするため、某医療・福祉法人に勤務する18~45歳未満の女性を対象に、Webアンケート調査を実施した。PMSの評価はPMDs症状スクリーニング票を用いた。東洋医学の証の評価は東洋医学健康調査票を用いた。その結果、1183名(平均年齢32±7歳)から回答を得た。このうち、PMSを有さない者(正常群)は921名(77.9%)、中等度以上のPMSがあり未治療の者(PMS群)が225名(19.1%)、PMSの治療中の者(治療群)は37名(3.1%)だった。東洋医学の証について、八綱弁証では、実証・虚証・熱証、気血津液弁証では、気虚・気滞・血虚・血お・津液不足・津液停滞、五臓の病証では肝・心・脾・肺・腎で、正常群、PMS群、治療群において各スコアの平均値に有意な差が認められた。いずれの証においても、正常群が最もスコアが低く、次いで治療群、そしてPMS群が最もスコアが高かった(P<0.05)。本調査より、某医療・福祉法人に勤務する女性の約20%が中等度以上のPMSを有し、かつ未治療であることが明らかになった。また、PMSやその治療の有無により、東洋医学的な病態が異なる可能性が示された。 尚、本年度は、2022年に大学生等の異なる集団を対象に行った調査のデータを用い、第73回日本東洋医学会において「成熟期の女性における月経前症候群の東洋医学的病態の分布」を発表した。また、第41回日本東洋医学会において「月経前症候群の東洋医学的病態の分布における年齢の影響」ならびに「成熟期女性における寒熱の病態と月経前症候群の関連」を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、就労女性における月経前症候群(Premenstrual syndrome: PMS)の東洋医学的な証の分布を明らかにするため、某医療・福祉法人に勤務する18~45歳未満の女性を対象に、Webアンケート調査を実施した。研究計画当初は、500名を目標に調査を実施したが、結果として約1,200名から回答を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、本年度に実施したアンケート結果をもとに、ランダム化比較試験の介入方法やデザインの設計を行い、年度内に小規模なパイロットスタディを実施する予定である。また、2025年度のランダム化比較試験はすべてのプロセスをオンラインで実施するため、2024年度中に、その基盤となるホームページ等のシステムを構築する。 また、本年度の調査では、月経前症候群や東洋医学の証だけではなく、月経の症状に関する詳細な調査や、労働生産性やワークエンゲイジメント、月経に伴う消化器症状の変化等についても調査を行っており、これらについても分析を進める予定である。
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