研究課題/領域番号 |
23K16490
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
森 崇洋 香川大学, 医学部, 寄附講座教員 (30771208)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | アルツハイマー型認知症 / BPSD / ABC認知症スケール / CMAI / 焦燥 |
研究開始時の研究の概要 |
ABC認知症スケールは日本で開発された新しい認知症の評価尺度である。日常生活動作、行動・心理症状、認知機能を10分程度で包括的に評価でき、誰でも使用できるという特徴がある。 コーエン・マンスフィールドagitation評価票(CMAI)は認知症の行動・心理症状のうち、焦燥に対する代表的な評価尺度である。 本研究では認知症患者におけるABC認知症スケールとCMAIの相関関係を明らかにする。ABC認知症スケールとCMAIに良好な相関が認められれば、ABC認知症スケールを用いて焦燥を簡便に評価できることが期待される。
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研究実績の概要 |
認知症の症状は①認知機能障害、②日常生活動作(ADL)障害、③行動・心理症状(BPSD) の3領域に分類される。これら3領域を包括的に評価する場合、従来は複数の評価尺度を組み合わせる必要があり、評価に1時間以上を要していた。ABC認知症スケールはアルツハイマー型認知症患者のADL、BPSD、認知機能を10分程度の短時間で包括的に評価できる新しい評価尺度である。ABC認知症スケールは付属のガイダンスを参照することで、特別な訓練を受けていなくても施行できるという特徴がある。 BPSDのうち、焦燥は本人の苦痛と介護者の負担が大きい。焦燥に対する対策を講じるうえで、焦燥を的確にアセスメントすることが重要である。コーエン・マンスフィールドagitation評価票(CMAI)は認知症のBPSDのうち、焦燥に対する代表的な評価尺度である。先行研究からBPSDの評価尺度であるNeuropsychiatric Inventory-Caregiver Distress Scale(NPI-D)とABC認知症スケールには中等度の相関(r=-0.595)があることが示されている。しかし、焦燥に特化した評価尺度であるCMAIとABC認知症スケールの相関は調査されていなかった。 本研究ではアルツハイマー型認知症患者におけるABC認知症スケールとCMAIの相関関係を明らかにすることを目標にしている。両者に有意な相関が認められれば、ABC認知症スケールを用いて、アルツハイマー型認知症患者の焦燥を簡便に評価できるようになることが期待される。 本年度は外来通院中の患者8名から研究参加の同意を得た。研究計画に従って、研究参加者に対し半年ごとに両評価尺度を施行して、両評価尺度の相関関係と経時的変化を観察している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は8名の研究参加者を組み入れたが、目標症例数を考えるとやや組み入れの進捗に遅れが生じている。研究計画の作成、倫理委員会への提出等に時間を要したことが遅延の主たる要因であるが、これらが解決したため、今後組み入れ数は増加していくものと予想している。
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今後の研究の推進方策 |
今後鋭意研究参加者の組み入れを進めていく。同時に研究計画に基づき、組み入れ済みの研究参加者に対し、ABC認知症スケールとCMAIの半年ごとの再検を行っていく。症例数がある程度蓄積されれば適宜中間解析を行い、学会発表等にて発信を行っていく予定である。
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